PRESENTED BY 野村不動産

【野村不動産のこだわり】そこに集うひと、働くひとのことを考える建物づくりとは

高級マンションブランド「PROUD」が有名な野村不動産。同社は賃貸オフィスや商業施設、物流施設など住宅以外の分野でも意欲的な活動を行ってるという。
Saha Entertainment via Getty Images

野村不動産といえば、高級マンションブランド「PROUD」が有名な総合不動産会社だ。そんな同社が近年、賃貸オフィスや商業施設、物流施設など住宅以外の分野でも意欲的な活動を行っている。住宅というプライベートな空間とは異なり、多くのひとが集まる空間をつくるにあたって、どのような工夫や思いがあるのだろうか。

今回、野村不動産の都市開発事業にスポットをあて、PMO(プレミアムミッドサイズオフィス)、GEMS(都市型商業施設)、Landport(大規模高機能型物流施設)の各担当者に最新の建物事情を踏まえながら話を聞いた。

■テナントの声がつくるオフィス「PMO(プレミアムミッドサイズオフィス)」

PMOとは、中規模サイズでありながら大規模ビルと同等の機能性とグレードを併せ持つ、新しいカテゴリーのオフィスビルブランドのことだ。森田倫人さんはビルディング事業部でPMOに入居しているテナントの声を元にした新しい形のオフィスづくりに携わっている。

ビルディング事業部の森田倫人さん

オフィスづくりにおけるトレンドはここ2〜3年で変貌を遂げており、「多様なニーズに対して細かく対応できることが求められている」と森田さんはいう。

「例えば、カフェで仕事をするようなリラックスした働き方を希望される企業様もいらっしゃいます。今までは『仕事をするオンの空間=執務スペース・ミーティングルーム』と『食事や休憩などのオフの空間=リフレッシュルーム』という区別がありました。それを取り払い、コーヒーを飲みながらフリーディスカッションやブレストができる空間を積極的につくろうという考え方です。私たちもそのような声から『オープンパントリー』という形の空間づくりを行う場合があります。これは、オンとオフの空間が一体となった空間で、社内でリフレッシュしながらコミュニケーションがとれるため、アイディアも浮かびやすいと聞いています」

働きやすい環境づくりで重要なことは、テナントの経営者たちから直接聞いた意見や話を反映させること。のびのびと仕事ができるオープンパントリーのようなスペースのニーズもあれば、その逆もあるという。「カフェのようなスペースを構えつつ、別の空間では仕事に集中できる専用ブースも欲しいという企業様もいらっしゃいます。ニーズは多岐にわたりますが、それぞれのニーズに合わせて、きめ細かく応えていくことが大切だと考えております」

■利用客も働くひとも居心地の良い“食”の空間「GEMS(ジェムズ)」

都市部を中心に展開するGEMSは“食”に特化した商業施設だ。ひとを集めるためには「わかりやすい施設と、行ってみたいと思うような仕掛けをつくることが大事」と語るのは、このプロジェクトに携わる中村泰士さんだ。

商業施設事業部の中村泰士さん

「GEMSは“食”に特化した飲食テナント。『このビルに行けば何か食べられるよね』と思ってもらえるように設計しています。いろんなテナントが入ったビルも魅力的だとは思いますが、わかりやすさを意識した結果“食”に絞ることにしました。1階のお店が満席でも2階にも美味しいお店がある……そう思うと安心ですよね 」

しかし、都内には多くの飲食系商業施設がある。一体どこが他と違うのだろうか? 中村さんは特徴である外装について語る。

GEMS市ヶ谷

「都心型の建物だと外壁が同じようなつくりが多いんです。でも私たちは、各フロアで内装はもちろん外装も雰囲気を変えてつくっています。例えばGEMS市ヶ谷の場合、1〜2階は街並みに合わせた洋風なレンガ調のつくりにしています。3階には大きなテラスをつくり開放感を演出。4〜7階は木目調のルーパーをつけて木のぬくもりが感じられる和の雰囲気に。そして8〜9階は眺望を活かすために、全面を窓ガラスにし、洋やアジア系をテーマにしました。このように各フロアに特徴をつくり、『次はこの階のお店に行ってみたい!』と思ってもらえるような工夫をしています」

GEMS渋谷には地下1階〜9階まで10フロアに10の店舗が店を構える。

「普通、商業施設というと新宿、銀座のような繁華街にある広域集客を目的とした施設を想像されると思います。しかし、GEMS渋谷があるのは渋谷駅南口。恵比寿寄りなので、繁華街というよりもオフィスが多い場所です。市ヶ谷に構えるときも『何故この場所で商業施設を?』とよく言われました(笑)。ただ、私たちはその街のオフィスで働くひとや住民が日常的に使える場所を目指しています。たとえば、市ヶ谷にはたくさんのオフィスや番町という住宅街もあるのに、商業施設はひとつもありませんでした。そのような街のひとたちにとって『行きつけ』の商業施設になりたい、そう思っています」

今後は大門、神田、その他にも3ヶ所にGEMSができるという。その街のひとたちの憩いの場として機能してくれそうだ。

■荷物の保管だけではない「現代」の物流施設「Landport(ランドポート)」

物流施設事業部の加藤俊輔さん

物流の核を担う物流施設も不動産事業の1つである。加藤俊輔さんは、大規模高機能型物流施設Landport(ランドポート)の開発を手がけている。現代の物流施設はどんな進化を遂げているのだろうか?

「一昔前の物流施設というと、荷物を保管しておくだけの、雨風をしのげればいい、倉庫のイメージだと思います。しかし最近では、コンビニや託児所、カフェスペースなど、ちょっとしたアメニティスペースに力をいれているのが特徴です」

「野村不動産がつくる物流施設は荷物を保管する場所の柱スパンを11m×11mにすることで荷物の保管効率を高める工夫を行っています。大きな施設になるので、働いているひとたちは約200〜400人くらい。従業員は主婦の方が多いので、その方々が働きやすい環境を考えて共用部のクオリティを重視しています」

また最近では、物流施設の中で宣伝用の商品撮影を行う企業もあるそうだ。そのため、見栄えの良い室内空間も重要なポイントになってくる。働く人々のニーズに応えるだけでなく、様々な用途に活用できる空間として物流施設は進化を遂げているのだ。

「他にも、LEDの照明が全館に導入されていて省エネ効果がある物流施設も増えてきました。太陽光パネルを設置して施設内の電気はそれで賄うこともあります。物流施設は屋根が大きいですからね。『倉庫なのに?』と言われることもありますが、やはり多くのひとが過ごす場所なので、モノをしまう以外の機能の充実性も大事になってきています」

もはや物流施設は「モノを保管するハコモノ」というだけではなくなってきているのだ。

■現場で感じる“今”の不動産に求められるもの

賃貸オフィスを手がける森田さんは、「現代の不動産事業はソフトとハードの両方を提供することが大事」だと語る。

「ただ、オフィスをつくってテナントの皆様へ提供するだけでは、『いい空間』を創ることはできないと思っています。私たちは、PMOというオフィスブランドを運営していく上で、テナントの皆様と、密にコミュニケーションをとっています。そのうえで、実際にオフィスにご入居いただいている方々の意見をしっかり反映できるのも自分たちの強みだと思っています。例えば、テナントの悩みでもある社員研修などについてもお手伝いすることもあります。経営課題に向き合うことで、オフィス空間の課題を見つけることができるんです。オフィスビルというハード面だけでなくソフト面のサービスも提供していく中で、一緒によりよいオフィスをつくっていくことがこれからさらに重要になっていきます」

さらに物流施設事業部の加藤さんも重ねる。

「やはり、空間をつくる仕事なので、どこまでも一緒に追求していくパッションが必要なのだと思っています。単にモノを保管する場所を提供するのではなく、物流の売上構成等も日々勉強させて頂き、コンサルタント的な業務も担わせて頂く場合があります。『お客様の物流改善も担う』こういう意識が今の物流施設をつくっていく中で大切なことだと思っています。建物を建てるだけが不動産ではないんだなと実感することが多いですね」

「私たちは創業以来、用地取得から、建設、販売、その後のケアを一社で手がけています。すべてを自分たちで担うからこそソフトとハード、両方のアプローチができるんだと思います。最近では、少しずつ業界内でも中間業者さんを挟まない形態が増えてきました。おそらく不動産業界自体も、ただ『建物』を建てるだけではなくなりつつあると思います。これだけ生活が多様化しているわけですから、『いい空間』をつくるためにはソフト面についてもアプローチしていくことが必要だと思います」と、商業施設事業部の中村さんは締めくくった。

今回インタビューを通じて、野村不動産が手掛ける3つの事業を紹介した。そのなかで、建物の性質はそれぞれ異なるものの、共通するものがみえてきた。それは、建物という側面だけではなく、働くひと、利用するひとの“働き心地”、“使い心地”という空間まで考えて不動産がつくられているということだ。

建てておわりではなく、そこに集まる人たちのことを常に考える。それは高級マンションブランド「PROUD」をはじめとして、“住み心地”をずっと考え、提供してきた野村不動産が手掛けるからこそ生まれる価値ではないだろうか。

普段日常生活のなかで何気なく利用している建物は、そこを『いい空間』にしようとするプロフェッショナルの思いと数多くの試行錯誤によって形づくられている。

これから未来に向かい都市の様相がダイナミックに変化しようとしている日本において、利用するひとの目線で建物づくりを行う野村不動産の役割に大いに期待したい。

(取材・執筆:ホシデトモタカ 撮影:梅津佑一朗)