サブサハラでの出産の現場を捉えた写真が美しい

写真家パオロ・パトルーノ氏の作品群「バース・イズ・ア・ドリーム」では、アフリカの地方の公共及び私設の病院の内部を見ることができる。

世界保健機関によると、女性の妊産婦死亡の生涯リスク(女性が妊娠に関わる要因で結果として死に至る可能性)は、先進諸国で3700分の1なのに対して、発展途上国では160分の1だ。

写真家パオロ・パトルーノ氏の作品群「バース・イズ・ア・ドリーム」では、アフリカの地方の公共及び私設の病院の内部を見ることができる。また、そこでは欧米における白い壁の病院や手術着のイメージとは大きくかけ離れた出産の現場を垣間見ることができる。出産とは極めて個人的であると同時に普遍的な儀式だ。作品ではあまり見られることのない出産の状況を精彩に捉えている。

2011年、パトルーノ氏はマラウイに6カ月近く滞在し、その間、首都リロングウェにあるブワイラ病院の分娩棟に勤務していた、あるイギリス人助産師を紹介された。この助産師はパトルーノ氏に美しく、複雑で、しばしば危険な、出産現場の世界を見せるため、彼を看護師訓練やコミュニティ啓蒙活動の現場に、また、助産師が働いている様々な妊婦の自宅へも案内した。

「私が教わったことで最も大きかったのは、アフリカにおける妊娠・出産が、女性の人生において危険な期間になっているということです」と、その写真家はハフポストUS版のブロガーであるジェニファー・ジェームズに語った。「マラウイの現地の言葉で妊娠を表す言葉である、『パカティ』や『マテンダ』は、それぞれ、『生と死の間』、『病』を意味します。」

マラウィに住んで以来、パトルーノ氏は、エチオピア、マラウイ、ウガンダ及びコンゴ民主共和国内の出産現場を、カメラを携え、訪れてきた。これらの極度に個人的な空間へのアクセスを得ることは、簡単なことではなく、特に男性の写真家であれば尚更である。パトルーノ氏は、処置中は目障りとならないよう努め、その瞬間のプライバシーを尊重し、出産後は直ちにその場を離れた。

「妊産婦の死亡や、妊産婦・新生児の健康については、語られることの無い問題です」と、パトルーノ氏はハフポストUS版に宛てたメールで書いている。「1人のドキュメンタリー写真家でありビデオメーカーとして、私はカメラを用い、同分野における自分の経験を共有してもらうことで、人々に、目が背けられているかも知れないことを知らせています。妊娠・出産とは、本来心の平静、喜び、幸福、希望を意味するはずです。不運にもアフリカの一部地域では、必ずしもそうではありません。」

更に詳しい情報は「バース・イズ・ア・ドリーム」のホームページで確認できる。

Birth is But a Dream

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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