インターネット回線を使ったIP電話が何者かに乗っ取られて高額な国際電話通話料請求が発生している問題で、NTT東日本と西日本は7月6日、通話料金が著しく高額になった契約者に対してNTTの判断で国際通話の発信を一時的に規制し、後で顧客に連絡すると発表した。現在は、通話料が前月の数倍に膨らんだ顧客に連絡して国際通話の発信規制を案内している。
また両社は、被害に遭った約120の契約者に通話料金の一部計約7100万円を支払う。
通信各社によりますと、契約者には身に覚えのない高額な国際電話料金が請求されるケースが相次いでいて、業界団体では不正なアクセスによって、IP電話が乗っ取られたものとみています。
(中略)また、すでに高額な国際電話料金を請求されている契約者のうち、国際電話をかけられないように手続きを取ったものの、NTT側の工事が完了するまでに国際電話がかけられたとみられるおよそ120件、7100万円程度については両社が負担することを決めました。今回の問題で両社は、これまで設備の故障などが原因ではないとして契約者に通話料金の全額を請求してきました。
(IP電話乗っ取り相次ぎ NTTが利用制限へ NHKニュース 2015/07/07 04:00)
両社はまた、これまで申し込みから数日間かかっていた国際通話の発信規制を、この間のに被害が拡大する可能性があるため、7月下旬からは当日に完了できるよう手続きを迅速化する。現行の約款にはこうした措置についての規定がないため、約款を改正する予定だという。
ただし今回の問題について、「NTT東西の設備の故障・不具合に起因したものではないことから、お客さまに通話料を請求させていただいているところです」としてNTTは高額でも国際通話料を請求するという立場をとっており、この方針は今後も変わらないという。
この問題では、IP電話を内線電話として利用している事業者を中心に、何者かがソフトウェアのセキュリティの弱点を突いてインターネット経由で不正アクセスし、アフリカのシエラレオネなどに多数の国際通話を発信している。
NTTは顧客に対して「外部からの接続環境の再確認を行うとともにパスワードの設定等運用の見直しを行うなど十分なセキュリティ対策を講じていただき、第三者による不正なアクセスが行われないようご注意ください」と、セキュリティ対策の見直しを呼びかけている。
今回の対象となるのは、NTT東西のIP電話サービス「ひかり電話」を利用中の顧客に限られる。KDDIやNTTコミュニケーションズなど他の通信事業者のIP電話サービスの利用者には適用されない。
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています。
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー
関連記事