過激派組織IS(イスラム国)の旗をまとい、ロンドン中心部の国会議事堂(ビッグ・ベン)の前を歩く男性の姿が写真で撮影された。男性は、小さなISの旗を振る幼児も肩車していた。
写真は7月4日に撮影された。7日は、地下鉄3カ所と2階建てバスが同時に爆破されて自爆犯を含む52人が死亡し、約700人が負傷したロンドン同時テロから10年にあたる。こうした微妙な時期に写真が公開された。
写真はインターネット上で拡散。男性は警官から職務質問されたが、何も取り締まらなかったことから、激しい批判が起きている。
7月7日の(ロンドン同時テロから)10年を目前にし、ロンドンのビッグ・ベン近くにはISの旗
ロンドン警視庁の広報官はハフポストUK版の取材に対し、「公共秩序法(ヘイトスピーチ規制の根拠法)を中心に、関連する法律を十分に考慮に入れた形で、警官が男性を職務質問した。そして、男性は法律の範囲内で行動していると警官は判断した」と話した。
広報官は「男性は逮捕されなかった」と述べた。
その理由として、広報官は「バッヂや旗を着用したり、持ち運んだり、誇示したりすること自体は、犯罪にはならない。犯罪になるのは、その人物がバッヂを着用したり持ち運んだりして、非合法組織のサポーターやメンバーだと判断できる合理的な疑いがある場合のみだ」と述べた。
広報官は「ISをサポートしたり、ISの構成員になったりすることは違法だが、独立国家の成立を支持することは犯罪ではない」と話した。
ロンドン中心部でISの旗を見せる男性。警察ができることは何もない。これは何かがおかしい
(新聞の見出し)警察、国会前でISの旗を見せる主張者を無視
(ツイートの内容)ウェストミンスターでISの旗をまとう男性。ロンドン警視庁が何をしたかって?まったくなしだ!!
7月7日のロンドン同時テロ10年を前に、ISの旗をまとった男を逮捕しなかったことで、ロンドン警視庁が批判される
この記事はハフポストUK版に掲載されたものを翻訳しました。
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