ギリシャに改革案の法制化を要求 ユーロ圏緊急首脳会議

[ブリユーロ圏は12日、ギリシャ問題をめぐり財務相会合に続き緊急首脳会議を開催した。首脳会議では、ギリシャに対し、新たな金融支援に関する協議を開始するために、今週中に主要な改革案を法制化するよう求めた。
Reuters

[ブリュッセル/アテネ 12日 ロイター] - ユーロ圏は12日、ギリシャ問題をめぐり財務相会合に続き緊急首脳会議を開催した。首脳会議では、ギリシャに対し、新たな金融支援に関する協議を開始するために、今週中に主要な改革案を法制化するよう求めた。

首脳会議に先立ち開催された財務相会合(ユーログループ)の声明案は、第3次支援交渉を開始するためには、ギリシャが税制や年金制度の改革などの措置を15日夜までに法制化する必要があるとしている。

また、支援の条件を満たせなかった場合に一時的にユーロ圏から事実上離脱させるというドイツ案も盛り込んだ。ただし、この文言はカッコでくくられており、同意していない財務相がいるもようだ。

ユーロ圏からの一時的な離脱について、欧州連合(EU)の高官は、違法であり、首脳会議の声明には盛り込まれないとの見方を示した。

首脳会議に出席するためブリュッセルに到着したギリシャのチプラス首相は、欧州の結束維持に向け「さらなる誠実な妥協」を望むとし「すべての当事者が望めば、今夜合意を達成できる」と述べた。

ギリシャ政府当局者によると、チプラス首相は首脳会議前にルー米財務長官と電話で会談した。首相は、ギリシャはすでに合意を目指す姿勢を示していると説明し、「実効性のある合意のためには、基本的にギリシャ国民、そして国民がこの5年間に耐えてきたすべての事を尊重しなければならない」と述べたという。

一方、ドイツのメルケル首相は、支援協議を開始する状況にはないとの認識を示し「最も重要である信頼が失われてしまった。それは、厳しい協議になることを意味する」と語った。

ユーログループの声明案について、あるギリシャ政府当局者は、「来週までの資金ぐりのめども立たずに、このような措置をぎりぎりになって要求してくるとは」と反発した。

当局筋によると、13日のユーログループでは、ギリシャへの緊急金融支援の実施方法を検討する可能性がある。

ギリシャ政府当局者は、緊急首脳会議の合間にチプラス首相が、メルケル首相、オランド仏大統領、トゥスクEU大統領と協議する見通しを示した。

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