ロシアのメドベージェフ首相は8月22日、択捉(えとろふ)島を訪問した。ロシアのタス通信が伝えた。建設中の文化・スポーツ施設や、2008年に完成した魚の加工工場などを視察するほか、ロシア全土から極東地域の発展に関心のある若手科学者や教師らが集まった愛国心高揚のための教育フォーラムに参加する予定。
メドベージェフ氏の北方領土入りは、2010年の大統領在任時と2012年に国後島を訪問したのに続き3回目。今回も7月23日の閣議で訪問の意向を表明していた。毎日新聞によると、日本政府は外交ルートを通じて中止を求めていたが、今回も無視された形になった。
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ロシア政府は、ウクライナ危機を受けた経済制裁など日本の対露外交に不満を抱いており、今回の択捉訪問には日本をけん制する意図もある模様だ。プーチン大統領は今年4月、北方領土問題に関して「日本側のせいで対話は停止している」と記者団に強調。日本政府に対露姿勢を軟化するよう暗に促していた。
(ロシア首相:択捉島を訪問 - 毎日新聞より 2015/08/22 11:09)
ロシアは7月18日にスクボルツォワ保健相が色丹島を、8月13日にトルトネフ副首相が択捉島を訪れた。ロシアによる実効支配と極東地域の経済発展をアピールする狙いがあるとみられる。安倍政権は日ロ首脳会談の開催を目指すが、プーチン大統領訪日の前準備となる岸田文雄外相の訪ロもめどが立っていない。
日本の外務省は22日、林肇・欧州局長がロシアのアファナシエフ駐日大使に対し「北方四島に関する日本の立場と相いれず、日本国民の感情を傷つけるもので極めて遺憾だ」と電話で抗議した。
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