人気TVゲームシリーズ「メタルギア・ソリッド」の製作者として知られるゲームデザイナーの小島秀夫さん(52)が、約30年勤めたコナミを10月9日付けで退社したと、アメリカの雑誌「ザ・ニューヨーカー」のWeb版が報じたが、コナミは「小島は長期休暇中で、現在も社員として在籍している」と報道を否定した。
コナミ広報はハフポスト日本版の電話取材に対して「シリーズ最新作を9月に発売したことで、小島を含む開発チーム全体が長期休暇に入っている」と説明。すでに退職が決まっていて有給休暇を消化しているのでは?と質問したところ「メタルギア・ソリッドのような数年間もかかる大型タイトルの場合、発売直後に長期休暇を取るのが通例だ」として、退職との関連を否定した。
■「12月にコナミとの契約が切れる」との情報も
小島氏の退社を報じたザ・ニューヨーカーによると、送別会には約100人が参加したが、コナミの早川英樹社長らの姿は見なかったという。シリーズ最新作「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」で働いた人々を中心に多数が参加したという。同誌は「ここ数十年にわたって、超大作の作者として小島の名前は知れ渡っており、コナミブランドの代名詞となっていた」「12月でコナミとの契約が切れ、彼はゲームを作る新しいスタジオを見つけるだろう」と報じている。
コナミの公式サイトによると、小島さんは1963年8月24日、東京・世田谷区生まれ。1986年にコナミにプランナーとして入社し、約30年間にわたり同社でゲームを企画してきた。1987年のPCゲーム「メタルギア」を皮切りに、「スナッチャー」や「ポリスノーツ」を次々と製作。1998年にシリーズ1作目「メタルギア・ソリッド」で、全世界で600万本を売り上げた。
2001年にはその続編「METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY」を発表。米ニューズウィーク紙で「未来を切り拓く10人」に選ばれた。この「メタルギア・ソリッド」シリーズで世界的に名声を博していたが、3月の組織改編でコナミ取締役副社長を退任。4月に就任した早川社長ら経営陣との摩擦が、ささやかれていた。小島さん自身の公式声明は20日現在、発表されていない。
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