杭工事偽装、ベテラン技術者「私もやった」 その理由は

北海道は29日、釧路市の道営住宅新築工事で、旭化成建材によるデータ流用が新たに判明したと発表した。打ち込まれた杭22本のうち2本のデータが同じだったという。

北海道・釧路で新たに杭2本のデータ流用 旭化成建材

北海道は29日、釧路市の道営住宅新築工事で、旭化成建材によるデータ流用が新たに判明したと発表した。打ち込まれた杭22本のうち2本のデータが同じだったという。

旭化成建材は「客観的に見てデータの転用があったと認めざるを得ない」と道にコメントしている。

同社の杭打ちデータ偽装をめぐっては28日、釧路市の別の道営住宅改良工事で発覚したばかり。

杭工事偽装、ベテラン技術者「私もやった」 その理由は

旭化成建材による杭工事データの偽装が、新たに横浜と北海道で見つかった。「自分もやったことがある」と打ち明ける下請け業者や、「こうした事態を予想していた」と話す大手ゼネコン社員もいる。

大手業者のマンション建設や公共工事の基礎工事に20年以上携わる技術者の50代男性は、元請けへの報告書でデータを作り替えたことがあると話す。

「最近はパソコンを使うので、いくらでもデータを付け替えられる。杭を打つ前に地質調査をするが、実際に打ってみると固いと予想していた地盤が固くない場合がある。そのときはデータを作り直す。業界ではよくあることで、私もやったことがある」

理由は工期が延びることを元請け業者が嫌うからだという。「マンションを売る日は決まっているのに、杭打ちをやり直せば完成が遅れる。元請けにやり直しを求めると『やかましいことを言うな』と言われる」

(朝日新聞社提供)

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