古い街並みには、着物がよく似合うもの。着物姿の人が歩いていると、とても絵になります。着物に憧れる気持ちがあっても、自前の着物を持っていなかったり、着付けができなかったりして、つい着るのをあきらめてしまう人は多いはず。
しかし、京都をはじめ、古い街並みのある都市には、着物レンタルや着付けサービスのあるお店が多く、誰でも着物を着て街を散策できます。着物散歩は意外とハードルが低いんです。
■着物をレンタルして街を歩こう
寺社仏閣巡りや古い街並み散策など、秋はしっとりと落ち着いたスポットへお出かけしたくなるもの。そんなときに、着物を着ていたら、非日常気分が盛り上がります。
七五三や成人式などのフォーマルな着物は窮屈なものですが、カジュアルな着物は、もっと肩の力を抜いて楽しめます。鼻緒ずれもさほど心配する必要はありません。浴衣と違って、着物は足袋を履くため、あまり足は痛くならないのです。かえって、ヒールのある靴を履いている方が疲れるくらいです。
それでも、着付けができないと、着物を着るのはハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、あきらめるのはまだ早い! たとえば、京都では、たくさんの着物レンタルサービスのお店があり、着付けもしてもらえます。これなら、着付けができなくても大丈夫ですし、着物を旅先に持っていく必要もありません。
京都きものパスポートを入手すれば、着物レンタル・着付けサービスを行っているお店や、万一着崩れてしまった場合の駆け込みスポットの場所がわかります。
さらに、着物を着て京都きものパスポートを提示すれば、拝観料や施設利用料が割引になったり、飲食店で一品サービスしてもらったりするなどの特典も得られるのです。
京都以外にも、金沢や倉敷など、全国の古い街並みが残る地方都市では、着物レンタルのお店があるものです。萩や松江などのように、期間限定の着物散策イベントが開催されることもあります。旅行の前に要チェックですね。
■着物散歩でどこに行けばいい?
自前の着物を持っていて、着付けもできるのであれば、活用しない手はありません。ぜひとも着物を着て近くの街へ繰り出しましょう。街歩きの時にぴったりの着物は、「小紋」や「紬」というカテゴリーのカジュアルなものです。ちょうど洋服にたとえると、小紋はプリントワンピースにあたります。紬はニットワンピースやデニム、レザーといったところでしょうか。
着物散歩におすすめのスポットは、ワンピースを着て行くと違和感のない場所となります。
つまり、
・古い町並み
・古民家
・洋館
・美術館
・寺社仏閣
・日本庭園
・観劇
・コンサート(クラシックやジャズなど、落ち着いて鑑賞するタイプのもの)
・ホテルやレストランでの食事(ただし、ビュッフェ式はたもとが邪魔になるので避けたほうがベター)
などです。
カラフルでポップな模様の着物が似合う場所、渋くて粋な着物が似合う場所など、街や建物によって似合う着物のタイプは違うので、意識しながらコーディネートしてみるのも楽しいですよ。
紅葉が落ち着いてくると、羽織やコートを羽織って、重ね着する楽しみも加わります。秋の風情をさらに楽しめる、着物散歩にぜひ挑戦してみてください。
(気象予報士・ライター 今井明子)
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