2015年に地球はどのように変わったのか NASAが空撮、日本のあの場所も

2015年に地球はどう変わったか。燃え盛る山火事から海上の島々の異常な誕生まで、NASAがこの1年に撮った地球上の劇的な変化の数々。

地球全体に起こっていることを目撃し、さらにその全体像を捉えるには、場合によっては高所から見下ろすのが一番だ。この1年に地球上の劇的な変化の数々を撮った、アメリカ航空宇宙局(NASA)の地球観測衛星からの衛星画像と航空写真をここに掲載しよう。

グリーンランドの氷床上を流れる巨大な川

7月に撮影されたこの航空写真は、グリーンランドの氷床の上を勢いよく流れる大きな川が、底なしの氷河甌穴(おうけつ)、つまり、陥没穴に急に流れ落ちている様子を捉えている。氷が溶ける夏の間、小川や川の水路網は変化を遂げながら、水を氷の表面から海まで運び、徐々に氷の塊を浸食していく。最近の研究では、地球最大の氷河でできたグリーンランドの氷床では、冬に得る氷の分量よりも、夏に失う氷の分量の方が多くなってきているという。

インドネシアに拡がる人的火災

この9月下旬のNASAの衛星画像は、インドネシアのスマトラ一帯に泥炭の火事が燃え広がり、煙が渦巻くのを捉えている。2015年、インドネシアでは記録的な山火事に見舞われ、何万もの大火事によって煤塵(ばいじん)や有毒ガスが地域に放出された。このプロセスは、土地の所有者が瓦礫の積もった土地を農地にするために年々繰り返されている。 [詳細は以下の記事参照: インドネシアに拡がる火災 - 政府は森林破壊を助長 ]

埋ずもれた街

ネパールのランタン村は、ランタン山の麓近くにある、人気のトレッキングルート上に位置している。しかし、そこは2015年春の雪崩で完全に埋もれてしまった。2015年4月25日にネパール中心部を襲った大地震で、氷と岩が崩れやすくなっていたのだ。

島の誕生

2年前、新しい火山島(左の写真ではほんの少し見えるだけだった)が、東京から600マイル(965キロ)南にある西之島という火山島のほんの数百メートル南東の海面上に姿を現した。過去2年間、この新しい島は急速に大きくなり、隣の島を完全に取り込んだ。2つの島が合併したこの島は、西之島の名前のまま呼ばれているが、現在は元の大きさの12倍になっている。

ブラジルの河川に排出される有毒な採鉱廃棄物

2015年11月5日、ブラジル南部の鉱山の鉱滓(こうさい)ダムが決壊した。ダムが決壊したことにより、160億ガロン(約 600 億リットル)もの有毒な不要鉱物に汚染された水や土砂−−その量はオリンピック競技用プール2万5千杯、あるいはオイルタンカー187隻分に匹敵−−が、ドセ川の支流に流れ込んだ。汚染された水は、酸化した鉄その他の金属が含まれているため、この写真では赤く見える。

アメリカ西部を襲った干ばつ

これらの衛星画像は、湿潤だった2011年(左)と乾燥した2015年(右)のシエラネバダ山脈の積雪の様子だ。大規模な干ばつに見舞われているカリフォルニアその他の西部の州では、川や貯水池や地下水の水量は、積雪が溶けることで保たれている。2015年3月までに、シエラネバダにある観測所の約3分の1で、過去最少の積雪量が観測された。雪が全く積もらなかった場所もあった。

北京で大気汚染に初の”赤色警報”発令

世界のリーダーが国連気候変動会議をパリで開いている時に、北京をはじめとする中国東部の都市の住民は、中国史上、最も深刻な大気汚染に直面した。この11月30日の衛星画像がその様子を捉えている。およそ1週間後に北京は、スモッグが危険なレベルに達したとして初めて”赤色警報”を発令し、首都圏住民の日常活動が厳しく制限された。この画像ではスモッグが茶色や黄色がかった霞のように見えている。

歴史的な雨量で過酷なモンスーン期が始まったインド

12月初旬、インド南部のチェンナイ市で24時間中の降水量が1901年以来の最大を記録した。上のNASAの衛星画像の中の一番明るい部分では48時間内に16インチ(約40センチメートル)以上の雨量を測定した。この大洪水は、例年にないほどの大量の雨量をもたらした、一カ月にわたるモンスーン降雨の後にやってきた。この傾向は、海水の記録的な高温と2015年のエルニーニョが遠距離にまで及ぼした影響によって、一層激しくなった。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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