選挙運動の写真だけでは、台湾の立法委員(国会議員に相当)に立候補していたフレディ・リム(林昶佐、39歳)が、アジアの熱いデスメタルバンドのボーカルだとは気づかないかもしれない。
長髪を後ろでまとめ、黒いアイラインを消し、タトゥー(入れ墨)を隠して、1月16日の台湾総統選と同時に行われた立法院選挙(定数113)。フレディ・リムは初の立候補で初当選を果たした。
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有権者に手を振るフレディ・リム
集まったフレディ・リムの支持者たち
2014年3月18日から4月中旬にかけて、中国と台湾がサービス分野の市場開放を目指して締結をめざした「サービス貿易協定」に抗議し、台湾の大学生らが立法院を約3週間にわたって占拠した(「ひまわり学生運動」)。リムはこのあと、2015年1月にミニ政党「時代力量」を立ち上げた。
リムの選挙運動は、20歳以上が選挙権を持つ台湾で、初めて投票する若い世代をターゲットにした。アムネスティ・インターナショナル台湾の前代表でもあるリムは、与党・国民党と中国大陸との密接な関係を強く批判した。CNNとのインタビューで、リムは「中国経済に飲み込まれる台湾に、若い世代は同意しない」と話した。
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フレディ・リムの選挙運動で音楽をかけるDJ
自ら率いるバンド「ソニック」とともに、台北市内でコンサートやデモをするなど、既存の選挙運動とはかけ離れたリムのやり方を、対立候補は激しく非難した。同じ台北の第5選挙区から立候補した国民党のベテラン政治家・林郁方氏は、、リムを「精神異常」と切って捨て、議会から追放しようと有権者に呼びかけた。しかし、結果は6000票以上の差がついた。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳、加筆しました。
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