マクドナルドのチキンマックナゲットがナチュラル路線に向かっているようだ。
とは言っても、油で揚げたチキンの塊が、できる範囲で自然になっているということだ。世界的なファストフードチェーンのマクドナルドは試験的に、主力商品のマックナゲットから人工保存料をなくし、子供をもつ親などが安心できる商品を打ち出そうとしている。
この新しいマックナゲットはまだ試験段階で、ワシントン州やオレゴン州の約140店舗のみで販売されている、とクレインズ・シカゴ・ビジネス誌が報じた。情報筋が同誌のサイトに語ったところによると、マクドナルドはブラジルのリオデジャネイロでオリンピックが始まる2016年8月5日までにアメリカ全土で展開を望んでいるという。
マックナゲットの新レシピと従来のものとの違いは十分には説明されなかったが、少なくとも原料のひとつであるリン酸ナトリウムが排除されているとAP通信は伝えている。リン酸ナトリウムはチキンを乾燥から守るために使用されている添加物としてマックナゲットのレシピカードで説明されている。また、マックナゲットを揚げる油も、新たなものには保存料のブチルヒドロキノン (TBHQ) が入っていないとAP通信は報じている。
マクドナルドは昨年、抗生物質を使わない鶏から作ったマックナゲットのみを提供すると発表した。この計画は完了までに2年かかる予定だ。
マクドナルドのファンの中には、健康に良い食べ物を求める顧客に対応した、このような企業努力に感謝する人もいるかもしれない。だが、マックナゲット自体は栄養に関する観点から疑問視されている事実に変わりはないと、ニューヨーク大学で栄養・食物学および公衆衛生を研究するマリオン・ネッスル教授は述べた。
「人工保存料を使わないという動きは、体に良く、自然で、偏りのない食事を求める顧客にアピールするためのものです」とネッスル教授はハフポストUS版へのメール中で述べた。「それは良いことですが、カロリー内容は変わらず、栄養素も改善していません」。
こうした健康面をアピールする傾向は、大手食品会社の間で近年強まっている。M&Mチョコレートやスニッカーズなどを販売するマース社は2月に、人間向け食品 (同社はペットフードも製造している)から人工着色料を排除することを発表した。
また、クラフト社は昨年、マカロニ&チーズ製品から人工着色料と保存料の使用を止め、ターメリック、パプリカ、アナトーといった天然着色料に切り替えている。
こうした決定は加工食品の売り上げの落ち込みを反映したものだ。2015年のフォーチュンの記事によると、アメリカの食料・飲料会社の上位25社は2009年以来、市場シェアの180億ドル(約1.9兆円)もの額を失っているという。
しかし、マックナゲットの改質のようなレシピの変更により、今後、購入客や食事をする人が増えるかどうかは誰にも分からないとネッスル教授は結論付けた。「お客さんを惹きつけるられるかどうかは、今後わかっていくと思います」と彼女は述べた。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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