「冨嶽三十六景」パスポートの新デザインに 葛飾北斎の傑作

外務省は、パスポートの査証欄のページに印刷されている図柄を、江戸期の浮世絵師・葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」をモチーフにした新デザインに変更する方針を固めた。
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外務省は、パスポートの査証欄のページに印刷されている図柄を、江戸期の浮世絵師・葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」をモチーフにした新デザインに変更する方針を固めた。5月18日の検討会議で正式に決定し、2019年度から導入する。NHKニュースなどが報じた。

変更されるのは、出国や入国の際にスタンプを押す査証欄のページのデザイン。現在は「桜」の図柄が使われているが、葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」をモチーフにした新デザインに変更する。見開きのページの全面に「冨嶽三十六景」のうち「凱風快晴(赤富士)」「江戸日本橋」など24作品を使用する方針だという。

外務省はこれまでも、偽造・変造を防ぐため、パスポートの仕様を定期的に変更している。現在のパスポートに対しては、他国に比べて地味といった意見や、偽造対策のICチップのせいで、ページが分厚くなって使いにくいという声もあるという。2020年の東京オリンピックまでにデザインを変更し、海外での日本文化の発信に役立てることを目指す方針だ。

■葛飾北斎と「冨嶽三十六景」とは? 印象派の画家にも影響

葛飾北斎は江戸後期の浮世絵師で、「冨嶽三十六景」「くだんうしがふち」「北斎漫画」などの作品で知られる。勝川春章に学び、狩野派・琳派・西洋画など様々な画法を取得し、独自の画風を確立。作品はヨーロッパにも伝わり、マネやモネ、ゴッホなど印象派や後期印象派の画家にも影響を与え、「ジャポニスム」と呼ばれるブームを生み出した。奇行でも知られ、生涯に93回も引っ越しをしたとも言われる。1849年(嘉永2年)に90歳で亡くなった。

代表作の風景版画「冨嶽三十六景」は、東海道と甲州から眺めた富士山を46枚で描いたもの。はじめは36枚の予定だったが、「裏富士」の10図を追加出版し全46枚となった。その中でも「凱風快晴(赤富士)」「神奈川沖浪裏」「山下白雨」などが傑作として知られる。

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