寝起きに飲む1杯の熱いコーヒーで1日が始まる――。そんな習慣が、実はガンの原因になるかもしれない。
WHO(世界保健機関)の専門機関IARC(国際がん研究機関)は6月15日、「非常に熱い飲み物には、おそらく発がん性がある」と発表した。
IARCでは「非常に熱い飲み物」を「65℃以上の飲み物」と定義している。IARCのクリストファー・ワイルド博士によると「中国やイラン・トルコ・南米など、70℃以上でお茶を飲む地域の研究で、食道がんのリスクが増加したことがわかった」と説明。その上で「非常に熱い飲料を飲むことは、食道がんの原因の1つだと推定される」と述べた。
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ヨーロッパ諸国では、コーヒーや紅茶などは通常60℃以下で飲まれている。これは、ミルクなどを入れて飲料の温度を下げていることも関係している。
また、これまでIARCはクロロホルムや鉛などと同様に、コーヒーをがんの原因として分類していたが、今回の発表で「コーヒーを飲むこと自体に発がん性があるという決定的な証拠は発見されなかった」と従来の見解を否定。コーヒーであろうと紅茶であろうと、どんな飲み物でも「非常に熱いものであれば、がんになるかもしれない」という見解に至った。
これを受けて全米コーヒー協会は「コーヒーを飲むための素晴らしいニュースだ」「コーヒーの消費量と発がん性には関係がない」と、IARCの発表を歓迎した。
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