ブラウザーは、アメリカ・テキサス州のホワイトセトルメントにある図書館に住む看板猫だ。図書館スタッフや利用者から愛されている。
ところが、このブラウザーに対し図書館から出て行くよう求める議案が6月14日、ホワイトセトルメント市議会で可決された。
この議案に賛成したエルジー・クレメンツ市議会議員は、「市の建物やサービスは、動物のためのものではありません」と述べている。
しかし、ロン・ホワイト市長をはじめ、ブラウザーに留まって欲しいと願う人たちは署名運動を展開している。オンラインの嘆願書には7500人以上の署名が集まっている。
リリアン・ブラックバーン図書館長は、何人もの人たちからブラウザーを引き取ると申し出を受けたが「ブラウザーには、図書館が一番いい場所だ」と話している。
ブラウザーが図書館にやってきたのは、約6年前。ネズミに困った図書館が、アニマルシェルターから譲り受けた。しかしブラウザーは、ネズミとり以外のある才能を発揮して、図書館になくてはならない存在になった。猫が好きな人とそうでない人を見分けられたのだ。
「ブラウザーは、猫が好きな人の近くには寄っていきましたが、猫が嫌いな人のそばには行きませんでした」とブラックバーン氏はハフポストUS版に語った。また、子供たちがブラウザーを目当てに図書館に来るようになったという。
ブラウザーは7月14日までに図書館から退去しなければならない。しかしホワイト氏は、7月12日に予定されている会議で決定を考え直すよう望んでいる。
ブラウザーに退去を求める採決は、「仕事に犬を連れてくるのを禁止された、ある市職員によるリベンジだ」と、ブラックバーン氏とホワイト氏は考えている。
「『仕事に犬を連れてきていいか』という問題とブラウザーは全く関係がありません。ブラウザーは、人に危害を与えるような猫ではありません。市議会は、猫が嫌いだからブラウザーを図書館から追い出そうとしたのです」とホワイト氏は地元紙フォート・ワース・スター・テレグラムに語っている。
ブラックバーン氏によれば、これまでにブラウザーが問題になったのは、猫アレルギーを持っているある家族が来館した時のみだという。しかも、図書館は解決策を思いついた。その家族が図書館に来る時は、前もって電話をしてもらい、ブラウザーを別の部屋に移動させたのだ。
この件以外で、ブラウザー問題になったことはなく、ブラウザーが図書館から去らなければいけない理由を誰もきちんと説明していない、とブラックバーン氏は述べている。
「図書館で働く私たちは、この突然の判決に本当に驚いています。ブラウザーがいることが、図書館の問題になったことなんて、ありませんから」と同氏は話す。
ハフポストUS版は、ブラウザーを図書館から出て行くように投票したクレメンツ氏と別の市議会議員ポール・ムーア氏に、コメントを求めているが、まだ回答はない。
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
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