インドの文化や観光を担当する、マヘシュ・シャルマ大臣が外国人観光客に対して、スカートを履かず、夜は出歩かないよう呼びかけた。ハフポストインド版などが8月29日に報じた。この報道によると、シャルマ氏がこうした発言をしたのは安全対策のためだ。スカートを履いていれば、嫌がらせや犯罪に巻き込まれる可能性があり、当局が守りきれないという。
記者団がシャルマ氏に対して、「インド政府はドレスコード(服装のルール)を課しているのか」と聞いたところ、「(安全のための)アドバイス」だと答えた。
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インドには西洋社会と異なる文化があり、デリケートな振る舞いが求められる宗教関連の場所も少なくない。そのため、シャルマ氏は地元の習慣を尊重するべきだという立場で、「夜に出歩く時に注意を呼びけている。誰かの(服装の)好みを変えようとしているわけではない」という趣旨のことをとも語っている。
シャルマ氏は昨年、女性が夜に出歩くことは「他ではいいかもしれないが、インドの文化にはない」と発言し、議論を呼んだ。
インドは日本に馴染みが深い国だが、服装に関しては文化が違う面もあるのは確かだ。「性に開放的」「誘っている」と思われないために脚を出さなかったり、胸元を出さなかったりする配慮が必要だという声もある。
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インド国内では、1日に92人の女性がレイプされているという統計もあるが、シャルマ氏のような発言は、性犯罪の原因が「女性にある」という偏見を助長しかねない。
ガーディアンによると、インド国内の識者からも発言について「きちんと考え抜かれたものではなかった」「問題は(加害者側の)男性や少年にある」という声が上がっている。