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まるで、砂ぼこりが目に入ってくるような気がしないか。
約525年前、イタリアが生んだ天才レオナルド・ダ・ヴィンチは、ペン画「ウィトルウィウス的人体図」を完成させた。この作品では、重なり合うように異なるポーズを取る2人の裸の男性が、真円と正方形の中に描かれている。当時レオナルド・ダ・ヴィンチは、建築家ウィトルウィウスに触発されて、均整のとれた理想的な人体を表した本作を描いた。
時はめぐって、2016年。レオナルド・ダ・ヴィンチの芸術、科学、数学に対する伝説的な貢献と、それら3つの分野が交差する1点が夢のような方法で讃えられることになった。
ご想像の通り、砂漠の一大フェス「バーニングマン」の2016年のテーマは、15世紀から16世紀にかけて想像力、創造力と卓越した技術をもってフィレンツェに変革をもたらしたダ・ヴィンチと、彼の仲間たちに敬意を表して、「レオナルド・ダ・ヴィンチの工房」が選ばれた。
バーニングマンとは、ネバダ州の砂漠で毎年開催される一大イベントのこと。大きなアート作品が広い会場内に点在し、日常生活から切り離された夢のようなお祭り騒ぎが展開される。今年は、世界中から約7万人が大集合した。
大型ステージにレオナルド・ダ・ヴィンチに触発された超現実主義的、幻想的で夢想的な光景に命を吹き込むべく、300名以上のアーティストたちが参加。巨大な蝶の彫像のほか、LEDで作られた浮遊し踊る女性たちや、息を吐くロボットのワニなどが展示された。
ここでは、レオナルド・ダ・ヴィンチが「おー、これは何?」と言っちゃいそうなプロジェクト12個を選び抜いた。それぞれのアーティストたちが、プロジェクトに関する簡単な紹介文を寄せてくれた。ぜひ読んでみてほしい。
1.FLOCONS
アーティスト:アンナ・ガエル・ルーシー・マーシャルとダスティー・ビジョンズ(オレゴン州、ポートランド)
PHOTO BY AG LUCY MARSHALL
プロジェクトの説明: 「"FLOCONS"は庭園風に展示するために、アーティスト集団によって構想・制作された、変化し続けるダイナミックな大型装飾品のような一連の彫像。参加型アートを通じて、人間の協調性と社会活動の美しさを表す創作的体験です。作品に近づいた人たちは、自由に動く独創的なアートを目にするでしょう。
2.Firmament
アーティスト:クリストファー・シャルト (カリフォルニア州、オークランド)
https://img.huffingtonpost.com/asset/scalefit_970_noupscale/57b1fe0b180000ad02bcad69.jpeg
プロジェクトの説明: 「巨大な天蓋のように頭上を覆うLEDが、遊び心のあるサイケデリックで荘厳なイメージを表現。その下の包容力のある社会的環境をクラシック音楽が精神に支えます。うるさいアートがたくさんあるフェスにある静寂のオアシスで、見世物ではなく美を表す場なのです。毎晩、数千人の人々が横になり、移ろいゆく作品と、穏やかな音楽を心ゆくまで楽しむことができます」
Firmamentについて詳しくはこちら。
3.Mechan 9
アーティスト:タイラー・フークア (オレゴン州、イーグル・クリーク)
PHOTO BY JASON HUTCHINSON
プロジェクトの説明: 「Mechan 9は、地面に半分埋まっている朽ちたロボットです。"Mechan 9"がどうやってここに埋まり、なぜ砂漠で朽ちたのか。さらに誰が製造したのかは、ボディに書かれた奇妙な文章を特殊なリーダーで解読することができる。あなたを町中で宝探しをして手がかりを見つけ、その途中でMechan 9の歴史を知ることができます。ロボットは長さ9メートル以上で上に登れます。実際、心臓部の秘密を見るためには登らなければなりません」
Mechan 9について詳しくはこちら。
4.Electric Renaissance (キャディラック・ランチへの寄贈品)
アーティスト:ヘリオトロピックス (カリフォルニア州サンタクルーズ、ドイツのアーヘン)
ELECTRIC RENAISSANCE
プロジェクトの説明: "Electric Renaissance"は、アント・ファームの伝説的な施設で、ガソリンを大量に消費し環境汚染を引き起こす、産業界の遺物の墓標である「キャディラック・ランチ」に敬意を表するもので、未来の無公害なフル電動車両を称えるものです。この作品は、地球の深部で変革を促す痛ましい旅をしたキャディラックが、バーニングマンの乾いた湖底で、無公害の車両として生まれ変わったことを思い描いています」
Instragamで「Electric Renaissance」をチェックするにはこちら。
5.Dust City Diner
アーティスト:デイビッド・コール、マイケル・ブラウン(カリフォルニア州オークランド)
VERTUMNUS
プロジェクトの説明: 「Dust City Dinerは、キルト状のステンレス汚れ止めパネル、赤いレザー・スツール、ゴボゴボと音のするコーヒーメーカー、ラジオから流れるインク・スポッツ、そして低価格の定食も備えた魅惑的な1940年風の軽食レストランです。事前に公表されていない場所で夕暮れから夜明けまで暑いコーヒーとグリルド・チーズ・サンドイッチを提供します。私たちが目指すのは、椅子に座りたい人や新聞を読みたい人、他の疲れた旅人との付き合いを楽しみたい人たちに一息つける特別な場所を届けることです。贈り物経済という発想は素晴らしいと思います。それに、真夜中に昔ながらのグリルド・チーズ・サンドイッチを食べて熱々のコーヒーを飲めることほど嬉しいことはありますか?」
「Dust City Diner」について詳しくはこちら。
6.Heart of Gold
アーティスト:エレナ・フィリプチュク、セルジュ・ボーリュー(カリフォルニア州サンフランシスコ)
BY TYLER BUCKHEIM
プロジェクトの説明: 「遠近感を狂わせ、自己の内部次元の認識をゆがめる、レオナルド・ダ・ヴィンチの図面に基づく幾何学的な彫像作品群。作品を通じて、人々を感嘆させるような堂々たる展示品と幾何学的、独創的な思考を巧みに表現しようとした。創造性と独創性はバーニングマンのコミュニティーにとって不可欠。人々に構造とデザインについて考えさせるようなアート作品を作りたいと考えている」
HYBYCOZOについて詳しくはこちら。
7.Horizon Lines
アーティスト:タイラー・バックハイム (フロリダ州キー・ウエスト)
BY TYLER BUCKHEIM
プロジェクトの説明: 「一見、Horizon Linesは、そびえ立つ25個の木柱による集合体か「森」のように見える。柱の上部は黒く塗装され、黒い箇所と木肌がそのままの箇所の間には金色の線があって、それぞれの柱の面は異なる高さから塗装されていいる。参加者は、正確に印のついた場所に立って真北、真南、真東か真西を見る。それぞれの木柱の模様と背景の自然が並ぶと、視覚的錯覚が生まれ、前景と背景が混ざり合って、1つの全体像を作り出す」
8.Dreams of Flight
アーティスト:マイケル・ガード (カリフォルニア州サンフランシスコ)
One of the figures he’ll be flying.
プロジェクトの説明: 「このプロジェクトはLEDライトを内蔵し、アルミニウムのワイヤーでできた彫像だ。夜、これらの彫像に黒いヘリウム風船につり下げて、周囲に飛ばす。バーニングマンが象徴する考え方で、「驚嘆」が最も貴重だと思っている。このプロジェクトは、15メートル下から見てもかなりミステリアスだ。夜空がすっかりと風船を隠し、浮かんでいる人型が踊っているかのような印象を与える」
バーニング・マン2014年で展示された「Dreams of Flight」の動画はこちら。
9.The MechaGator
アーティスト:ライヤン・S・バラッド(ルイジアナ州、ニューオーリンズ)
プロジェクトの説明: 「MechaGatorは、高さ3.6メートルの火を噴くワニのロボットで、尻尾の上にあるポニー用の小さなピンク色の鞍にまたがってレバーやフットペダルを使って操作できる。彼女にはミラー・ボール、ピンク色の小さな翼とユニコーンの角がついており、プロパンガスをドカ食いする。この作品は、火を通じて対話する風変わりな行動をとることでバーニングマンの主旨を捉えている。彼女は出会った人たちに喜びをもたらす」
10.Imago
アーティスト:カーステン・バーグ (カリフォルニア州バークレイ)
BY KIRSTEN BERG
プロジェクトの説明: 「鏡面仕上げの青色の鉄板でできた蝶が、まるでたった今飛び降りたかのように、同時に今にも飛び立たんばかりに羽を広げ、砂漠の5メートル上に浮かんでいる。弧を描く羽には繊細に穴が開いており、その下に進むと色鮮やかな青色の光が散乱し、アーチ形の天井で作られた空間の中で、幾何学的な模様と反射光に包み込まれる。まるで親しみやすい寺院や未来的な神殿の中にいるかのような、軽やかな気持ちにさせてくれる空間を作り出している。この浮遊する蝶は、多くの人に、ここに来ずにはいられない気持ちにさせ、人生観が変わってしまうバーニング・マン体験のわかりやすいメタファーとなっている」
「Imago」について詳しくはこちら。
11.Piazza di Ferro
アーティスト:アイアン・モンキー・アーツ(ワシントン州シアトル)
RENDERING BY TABASCO MILLS
プロジェクトの説明: 「アイアン・モンキーズは今年、実用的な参加型の鍛冶屋を建てることで、同業者たちに敬意を表している。その周囲には集会所があり、コミュニティーのみんなに、鍛冶屋で行われていることを観察し、話し合い、参加することを促す。私たちの信条の重要な要素である、「鍛冶作業は誰にでもできる」ということを広めたいと考えている」
「Piazza di Ferro」について詳しくはコチラ。
12.Renaissance
ピンク・イントルーダー (ミゲル・アレイズ、デイビッド・モレノ。スペイン、ヴァレンシア)
Renaissanceの模型
プロジェクトの説明: 「Renaissanceは、外観は現代風ですが、ヴァレンシア文化の伝統の本質を表現している。バーニング・マンの今年のテーマに基づいて、厚紙製のパビリオンを現代の建築術を用いて建設した。5万個以上の厚紙製チューブによる建築物、モザイク調の床と伝統的な祭りでみられる像で、スペイン国ヴァレンシア市の伝統を表現している。このプロジェクトはバーニングマンの「コミュニティー」という主旨に合致していると言えるでしょう。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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