めったに見ることがない、しかし、あまりにも美しい光景だ。この写真はシリアの通りで子供たちが無邪気に遊んでいる姿を撮影したものだ。アメリカとロシアが仲介した停戦が9月12日に実現し、5年以上にわたって内戦が続くシリアに久々の平和が訪れている。
政府軍と反体制勢力の衝突、そしてロシア軍の空爆、たる爆弾の爆撃が激化していく中、約470万人のシリア人が近隣諸国に逃亡し、650万人以上の人々が国内で強制退去を強いられている。そして、840万人の子供たちが今、人道支援を必要としている。
今回の停戦について、アメリカのジョン・ケリー国務長官は「対立を変えるきっかけとなるだろう」と歓迎した。今後は全面的な停戦の実現と支援物資ルートの拡大が当面の課題となる。
スタファン・デミストゥラ国連シリア特使は停戦開始直後、「今回の停戦で死傷者数が最小限にとどまり、暴力が著しく減少した」と述べた。しかしシリア政府は、反体制派に包囲支配されているアレッポへ向けた海外からの支援物資輸送を妨害しており、多くの人々がアレッポに閉じ込められたままになっている。
写真に映し出された喜びと安堵の表情にしばし目を奪われるが、背景に映る荒廃した建物やがれきだらけの通りの光景に、シリアの過酷な内戦の爪痕が垣間見える。
【参考記事】
「休戦前、激しい爆弾攻撃がありました」と、あるシリア人男性は9月14日、ハフポストUS版中東特派員のソフィア・ジョーンズに語った。「やっと外へ出て行けます」と、その男性は続けた。アレッポにいる彼の幼い姪は、今週になって数カ月ぶりに外で遊んだという。「今、あの子たちは幸せです」
シリアの子供たちが子供らしさを取り戻した姿を映す以下の素晴らしい写真を見てみよう。
反体制勢力支配下のアービンで乗り物に乗って遊ぶ子供たち。アービンは首都ダマスカス郊外のゴータ東部にある。人々はイスラム教の祝日イード・アル・アドハーを祝っている。AMER ALMOHIBANY via Getty Images
イード・アル・アドハー2日目、反体制勢力支配下のダウマでジャンプして遊ぶ少年。ダウマは首都ダマスカスの最東部にある。SAMEER AL-DOUMY via Getty Images
シーソーで遊ぶアービンの少年たち。AMER ALMOHIBANY via Getty Images
ロバに乗るダウマの少年。SAMEER AL-DOUMY via Getty Images
大型のブランコに乗るアービンの子供たち。AMER ALMOHIBANY via Getty Images
北東部の町クアミシュリで自転車に3人の女の子を乗せる男性。DELIL SOULEIMAN via Getty Images
井戸から水を飲むアービンの子供たち。AMER ALMOHIBANY via Getty Images
反体制勢力が占領しているシリア北部アレッポで、馬に乗る少年と通りで遊ぶ子供たち。イード・アル・アドハーの祭りが行われている。THAER MOHAMMED via Getty Images
アービンの町の通りを歩く少女。AMER ALMOHIBANY via Getty Images
アレッポの政府軍支配下地区モガンボのカフェに座る青年たち。YOUSSEF KARWASHAN via Getty Images
反体制勢力支配下のハモウリアの通りでブランコに乗って遊ぶシリアの子供たち。ハモウリアは首都ダマスカス郊外のゴータ東部にある。ABD DOUMANY via Getty Images
子供たちが反体制軍支配下のイドリブで荷車に乗る。Ammar Abdullah/Reuters
イドリブでブランコで遊ぶ子供たち。Ammar Abdullah/Reuters
アービンでブランコ遊びをする笑顔の子供たち。AMER ALMOHIBANY via Getty Images
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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