「妻が行政から「女は働くな」と言われました」と題した匿名ブログが10月3日に投稿され、第2子誕生に伴う育児休業(育休)によって上の子が保育園の退園をせまられる「育休退園」が議論を呼んでいる。
生後3カ月の新生児の父親とみられる投稿者は、突然市役所の担当者からかかってき電話の内容を明らかにした。
「現在、市内の保育園に通われているお子さまですが、現在産休中のお母さまがこのまま育児休業に入り職場に復帰しないということですと、今年の11月11日で退園して頂きますので、その確認のお電話です。」
(妻が行政から「女は働くな」と言われました - 育児休業をとると保育園は退園?より 2016/10/03)
男性の住む国分寺市の主張としては、親が2人目の子供の育休を取得していれば、上の子も家で面倒みられるから保育園に預ける必要がない、というのである。
この男性が、育休を取得しなかった場合を確認すると、市は「退園を免れるにはそれ以外の方法はありません」と回答したそうだ。
「それならば産休後に育休を取らずにすぐに仕事復帰すれば強制退園させられないのか?」
と聞くと、「その通りです。退園を免れるにはそれ以外の方法はありません。」というわけである。
(妻が行政から「女は働くな」と言われました - 育児休業をとると保育園は退園?より 2016/10/03)
両親や親族に頼れる状況ではなく、産後2カ月での復帰は現実的ではない。預け先がないまま職場復帰するか、育休退園で2人の子供の面倒を見るか——。
「産まれた二人目のこどもの受け入れがないのに職場復帰を求めるのはおかしいし、復帰ができないのであれば一人目のこどもが中途退園しなければならないのはもっとおかしい」として、男性は究極の選択を前に「これはいったいどういう『一億総活躍社会』なのか説明してくれ総理大臣」と本音を綴っている。
預けるところがないのに職場に復帰をしろ。
復帰できないならば上の子は保育園を退園して家でみろ。
…基本的に選択肢がない。
仕事をやめて保育園もやめるしかない。
なんだこりゃ?
これはいったいどういう「一億総活躍社会」なのか説明してくれ総理大臣。
大袈裟なタイトルかもしれないが、
これでは「女は働くな」と行政から正式に言われているのとなんら変わらないのである。
(妻が行政から「女は働くな」と言われました - 育児休業をとると保育園は退園?より 2016/10/03)
■2015年4月にスタートした「子ども子育て支援新制度」
どうしてこのような事態になったのか。2015年4月から「子ども子育て支援新制度」が始まったことで、自治体によって親が育休を取得した場合の「子どもの保育継続」について異なる見解を出すようになった。新制度に基づき、第1子の保育を継続とした自治体もあれば、これまでは保育継続していた自治体が「4歳以下は退園させる」とする決定したケースもあるという。
実際に、埼玉県所沢市では、上の子の退園を迫られている親たち8世帯11名が2015年6月、育休中の保育の実施解除差し止め請求を起こし、退園させないよう市に求めた。
この訴訟は、家庭の事情を理由に在園継続を市に申請して認められるなどして順次、訴えを取り下げ、訴訟を継続していた3人の親が育休を終えて子供が再入園したことで、2016年7月に原告側が訴えを取り下げて終結している。
■ブログの反響「これで子供を作れといわれでも」
このブログを受けて、Twitter上では「本当におかしい」「これで子供を作れといわれでも」など様々な声が寄せられている。以下にその一部を紹介する。