東京五輪の会場運営コストに年間21億円 約4億4000万円の赤字

3会場のうち、黒字見込みは「有明アリーナ」の1会場のみ。

2020年東京オリンピック・パラリンピックで東京都が見直しを進めた3会場について、運営コストが計約21億円になると東京都が試算をまとめた。収支は約4億4000万円の赤字になる見通しだという。朝日新聞デジタルなどが報じた。

運営コストが発表された競技会場は、ボート・カヌーの「海の森水上競技場」、水泳会場の「アクアティクスセンター」、バレーボールの「有明アリーナ」の3会場。2016年9月から東京都によって建設見直しが進められていたが、いずれも当初の計画通り3会場を新設することが決定。予算検証に取り組んできた五輪調査チームは12月22日をもって解散した。

会場見直しは決着したが、3会場の維持費は「有明アリーナ」以外赤字となる見通しという。12月21日の都議会特別委員会で、東京都側は3会場の年間運営コストと収支を公表した。

データ参照元:朝日新聞社

人件費や光熱水費などから試算した年間の運営コストは計21億4300万円、利用料などの収入見込みは計約17億300万になるという。収支は計約4億4000万円の赤字になる。朝日新聞デジタルによると、都の担当部局は「競技団体と連携して利用増をはかるなど収支改善に取り組みたい」と話しているという。

■東京五輪の経費は1兆6000億〜1兆8000億円

東京五輪大会全体の経費については、12月21日に開かれた東京都・大会組織委員会・政府・国際オリンピック委員会(IOC)の4者による第2回トップ級会合で、組織員会が初めて試算を発表した。

組織委員会による試算では、大会の総経費は1兆6000億〜1兆8000億円。組織員会はこのうち5000億円程度を負担できると発表しており、残る1兆円以上の経費については東京都、国、会場を設置する自治体に負担を求めた。分担については、IOCを除く3者で、年明けから協議を進める方針

2020年東京五輪・パラリンピックの開催経費削減を協議する国際オリンピック委員会(IOC)、政府、東京都、大会組織委員会の4者のトップ級会合に出席したIOCのジョン・コーツ副会長(右奥モニター)、東京都の小池百合子知事(左奥テーブル右から3人目)、組織委の森喜朗会長(左手前テーブル右から2人目)、丸川珠代五輪担当相(右手前テーブル右から2人目)ら=2016年12月21日、東京都港区[代表撮影]

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