「ずっと母を待っている」少女が悲痛な訴え イスラム7カ国の入国禁止で11人拘束か

ボランティアの弁護士も駆けつけ、空港ターミナルの床に座り込んで奮闘している。
Twitter/JackSmithIV

テロ対策として、アメリカのトランプ大統領は、1月27日、シリア難民や7カ国のイスラム教国からの入国を禁止する大統領令にサインした。この影響で、ニューヨークのケネディ国際空港に到着した人々の中には、突然入国を拒否されて拘束された例が相次いでいる。

ハフィントンポストUS版などによると、これまで少なくとも2人のイラク人の男性がビザを取得していたにもかかわらず、入国を拒否されて入管当局に拘束された。この2人は連邦地裁が入国許可を出したことで、解放された

また、ニューヨーク移民連合によると、ケネディ国際空港ではこの他にさらに11人が同様に拘束され取り調べを受けている。11人が解放されたかどうかは不明だ。Twitter上には、母親の到着を11時間以上待っているという少女たちの動画がアップロードされている。

少女たちによると、母親は1月16日に入国するためのビザを取得していたという。「母はイラクに戻らなければならない可能性が高いと言われている。彼女はとても怖がっていた」とMicの記者ジャック・スミス氏のインタビューに語っている。

彼女たちの家族はアメリカ軍人だといい、「私達はこんな扱いを受けるべきではない」「すべてのイスラム教徒が悪いイスラム教徒ではない。私達が待っているのは、母です」と涙ながらに話した。

■政府の通訳も拘束

拘束・解放された2人のうち1人、イラク人のハミード・カリド・ダーウィシュ氏は、アメリカ政府で通訳などとして10年間働いてきた。ダーウィシュ氏の元同僚は、金曜日の午後6時、彼はJFK空港に妻と子供とともに到着した。妻子は通過できたにもかかわらず、彼だけが足止めされたとハフィントンポストUS版の取材に答えた。

ダーウィシュ氏が解放された時には既に土曜日になっており、少なくとも6時間、複数の部屋で取り調べを受けていたという。こうした仕打ちを受けたにもかかわらず、インタビューに答えたダーウィシュ氏は「(アメリカは)世界で一番素晴らしい国だ」と語ったという。

■もう一人の被害者

拘束されたもう一人も、イラク人の難民の男性、サミール・アブドゥルカレク・アルシャウィ氏だ。妻と子をアメリカに残しており、再び入国しようとした。ワシントン・ポストの報道によると、アルシャウィ氏の妻はアメリカ政府の仕事を請け負っており、数年前に入国したという。

ニューヨーク移民連合によると、この他に11人が同様に拘束され取り調べを受けている。「彼らには入国の権利があるにもかかわらず、まるでないかのように扱われている」と語っている。

■デモ隊が集結

こうした措置に反対するため、こうした措置に反対するため、ケネディ空港にデモ隊が続々と集まっている。さらに、拘束されている人々の力になろうと、ボランティアの弁護士も駆けつけ、空港ターミナルの床に座り込んで奮闘している。

文字通りの「現場(on the ground)」だ。ボランティア弁護士たちは土曜日、拘束されている人々のために、人身保護の嘆願書を準備するべく、プロボノ(専門職ボランティア)としてJFK空港(の床)で働いている。

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