東京都の豊洲市場の移転問題で、用地取得の経緯を調べるため、強い調査権限を持つ調査特別委員会(百条委員会)が設置される見通しとなった。石原慎太郎元知事ら移転決断当時の関係者を参考人ではなく証人として委員会に呼ぶことが検討されると、NHKなどが報じた。
都議会最大会派の自民党が2月19日、百条委員会の設置を議会運営委員会理事会で提出することを決定。会派の役員で協議した結果、「最大会派の責任を果たすべきだ」などとの意見が出たことなどから提案を決めたと、毎日新聞が報じた。
百条委員会の設置は、本会議で出席議員の過半数の賛成が必要。自民党以外の他の主要会派も同様の方針を決めていることなどから、設置は決定的となった。早ければ、22日の都議会本会議で設置を議決する可能性が高い。
都議会は2016年10月、豊洲市場問題を審議する特別委員会を設置。都知事在任中に築地市場からの移転を決めた石原氏と、土地取得交渉をした元副知事の浜渦元氏らを3月18日から20日まで、参考人として招致することを決めていた。
石原氏はこれに応じる姿勢を見せていたが、民進党会派や共産党が、移転の経緯を解明するため法律に基づくより厳しい調査をするべきだと、百条委員会の設置を求めていた。
都議会での百条委員会の設置が決まれば、石原氏が知事在任中の2005年以来で、12年ぶりとなる。
■百条委員会とは
コトバンクによると、地方議会が設置する調査当別委員会。自治体の長や議員に疑惑や不祥事が起きた場合に設置する。通常の委員会よりも強制力があり、関係者への出頭や証言、記録提出を請求する調査権限がある。正当な理由がなく拒否したり、虚偽の証言をしたりすると、禁固刑や罰金刑などの罰則が課せられる。
■関連画像集「豊洲市場 工事の様子」
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