「本気で自殺したいと思ったことがある」と答えた人が成人の4人に1人の割合だったことが、厚生労働省が3月21日に公表した意識調査で判明した。過去に実施した2008年と12年の調査と比べて最も高い割合となった。
調査は今回が3回目。2016年10月に全国の20歳以上の男女3000人を対象に実施し、回収率は67.3%(2019人)だった。
警察庁の自殺統計(速報値)によると2016年の自殺者数は2万1764人で、7年連続で減少している。厚労省自殺対策推進室は時事ドットコムに対し「自殺を考えた人が行動を起こさないということ。電話相談などの予防対策が一定の効果を出しているのではないか」と答えた。
調査結果によると、自殺を考えた経験がある人を男女別でみると女性が25.6%で、男性の21.4%を上回った。特に女性の30代(32.3%)、50代(31.0%)が高い傾向にあった。
また、自殺を考えた時、どのように乗り越えたかを複数回答で聞いたところ、「趣味や仕事などで気を紛らわせるように努めた」が36.7%で最も多く、次いで「家族や友人、職場の同僚ら身近な人に悩みを聞いてもらった」が32.1%だった。
今後の自殺対策について、児童生徒が自殺予防について学ぶ機会があった方がよいと思うか聞いたところ、「そう思う」と答えた人の割合は83.1%に上った。具体的に自殺予防のためどのようなことを学ぶべきか聞いたところ、「周囲の人に助けを求めることが恥ずかしくないこと」が71.2%で最も多く、「ストレスへの対処方法を知ること」が51.4%で続いた。
一方、自殺防止の対策として自治体が実施している電話相談「心の健康相談統一ダイヤル」について、内容を知っていると答えた人は6.9%にとどまった。
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