子宮頸がんと闘った女性、自分の命を犠牲にしながら双子を出産。

一度は克服したがんが、妊娠中に再発。それでも母は出産した。

カリフォルニア州フレズノ出身のジェイミー・スナイダーさん(30歳)は、双子を妊娠している時に、子宮頸がんの再発がわかった。

スナイダーさんには2歳の娘がいる。以前にも子宮頸がんを発症したが、治療を受けて克服した。

その時の治療で、スナイダーさんは卵巣を一つ取り除かなければいけなかった。しかしその後、スナイダーさんは新しい命を授かることができた。

ところが喜びもつかの間、妊娠直後に子宮頸がんが再発していることが明らかになった。

妊娠しながらのがん治療は難しい。化学療法が、お腹の赤ちゃんに影響を与える可能性があるからだ。スナイダーさんはスタンフォード大学メディカル・ケア・センターで、子供に影響がないよう慎重に化学療法を受けた。

スナイダーさんのきょうだい、クリス・スナイダーさんは、治療の様子をサンフランシスコのテレビ局KGO-TVのインタビューでこう語っている。

「胎児の成長に影響を与えないよう、化学療法を抑えざるをえませんでした。彼女は赤ちゃんの命が失われないよう、とても気をつけていました。自分の命と赤ちゃんの命を引き換えにしたのです」

厳しい状況での治療だったが、赤ちゃんを帝王切開で産む直前、スナイダーさんは医師から、再びがんを克服したと告げられた。

そして3月16日、スナイダーさんは双子のカミラとニコを産んだ。

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妊娠33週で生まれた赤ちゃんは、3.5ポンド(約1590グラム)の未熟児だったが、健康状態に問題はなかった。新たに2人の子供の母親になったスナイダーさんは喜びにあふれていた、とニュースサイト「インサイド・エディション」が伝えている。

子宮頸がんの可能性を取り除くため、スナイダーさんは赤ちゃんを産んだ後に子宮を全摘出する手術を受けた。

しかし出産し子宮を取り除いた翌日、スナイダーさんは亡くなった。原因は心不全だった。

「我が子の顔を見ることができ、彼らをほんの少しだけでも抱けたことが、せめてもの救いです」と、スナイダーさんの友人ロリーナ・カンパニーレさんがKGO-TVのインタビューで答えている。

双子の赤ちゃんはすでに退院して、今はフレズノにあるスナイダーさんの実家にいる。移動できるくらい大きくなったら、父親と姉の住むニューハンプシャー州に行く予定だとフレズノ・ビー紙は伝えている。

がんと闘いながら、なによりも赤ちゃんの命を優先させたスナイダーさん。彼女のお別れ会が、3月30日にフレズノで開かれる。彼女の友人や知人が、スナイダーさんの家族を助けるための費用や、お別れ会を開くための費用を、クラウドファンディングサイト「Gofundme」で募っている。

ジェイミー・スナイダーさん(GoFundMe)

ハフィントンポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。