地球温暖化を減らすために各国が協力することを定めた「パリ協定」からアメリカが脱退することを決めたトランプ大統領について、環境問題に取り組むゴア元副大統領が「アメリカを孤立化させた」などと厳しく批判した。6月4日、ABCニュースのインタビューに答えた。
ゴア氏は、クリントン政権時代の1993年~2001年に副大統領を務めた。環境問題をライフワークにしており、2006年には自ら主演した、地球温暖化問題を訴えるドキュメンタリー映画「不都合な真実」を公開。活動が評価され、2007年にはノーベル平和賞を受賞した。
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ABCニュースによると、ゴア氏はトランプ氏について、「無謀で弁解の余地のない決定によってアメリカを孤立化させた」と批判。「政権は気候の危機について歯切れが悪く、混乱させようとしている印象を受ける」「トランプ氏らは大気汚染をやめたくない。なぜなら、産業計画の邪魔になるからだ」と指摘した。
その上でゴア氏は、「最も成長著しいのは風力技術関連だ」とし、「再生可能エネルギー分野と持続可能な革命こそが、経済成長とアメリカの繁栄にとって最も将来性がある」と話した。
一方、ゴア氏はCNNのインタビューにも応じ、「決定は恐ろしく間違いだ。しかし、いいニュースもある。この問題についてトランプ氏がリードしなくなったとしても、アメリカ国民は指導力を発揮しようとしていることだ」と述べた。
ゴア氏は「不都合な真実」の続編「不都合な続編:権力者に真実を(邦題:不都合な真実2 放置された地球)」を今年夏に公開する予定だ。