「音のない曲」が大ヒットしている…?
9分58秒間、ほぼ全編に渡って「音のない状態」が続く何とも前衛的な楽曲「A a a a a Very Good Song 」が、アメリカで人気を博している。
8月7日にリリースされると、アメリカのiTunesヒットチャートでトップ50入りし、話題になった。14日時点で、73位にランクインしている。
約10分の楽曲は、全編ほぼ沈黙。最後の数秒に「さぁ曲を変える時間だ」という男性の声だけが入る。
曲を提供したミール・メズラヒィ氏は自身のTwitterアカウントで、「沈黙の楽曲」を提供した意図を以下のように語っている。
「(A a a a aで始まるから)一番最初に流れてくれる、空白の曲をリリースしたよ。これで車でiPhoneをつないだ時にいつも同じ曲がかかっちゃうのを避けられるよ」
iPhoneのライブラリに保存した曲を聞いているユーザーがカーステレオなどにつないで音楽をかけようとすると、アルファベット順で最初の楽曲が勝手に再生してしまうため、いつも同じ曲がかかってしまったり、その時の気分じゃない曲がかかってしまったりという問題点があった。
「A a a a a Very Good Song」は、"A(a)"とスペースを組み合わせて、アルファベット順の一番上にくることを意図しており、ユーザーは約10分の「音のない曲」の間に、気分に合った曲を選ぶことができる。
Twitterでは、この曲をダウンロードしたユーザーから喜びのコメントが相次いだ。
「A a a a a Very Good Song 」をダウンロード中!いい加減毎回「Wayne」の『Abortion』がかかるのに飽きてたんだよね。
うまくいったー!
やったー!「ジャクソン5」の『ABC』、すまん!でもさすがに少し休憩したかった!
まじでありがとう!!!!(テイラー・スウィフトの)『All Too Well』が私の車でかかることは二度とないと思う
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「沈黙の音」が10分間続く、存在自体が逆説的なこの曲。
車でいつも同じ曲がかかることを避けるという効果だけでなく、色々と考えさせられてしまう。