私立高校無償化、安倍首相が「検討したい」

かつて自民党は「所得の多い家庭の子供の授業料まで国が支援する必要があるのか」などと主張していました。
党首討論会に出席した安倍晋三首相(2017年10月8日撮影)
党首討論会に出席した安倍晋三首相(2017年10月8日撮影)
Kim Kyung Hoon / Reuters

安倍晋三首相は10月8日、日本記者クラブ主催の党首討論会で、「私立高校の授業料の無償化も検討したい」と述べた。公明党の山口那津男代表の質問に答えた。

山口氏は「我が党の公約にあって自民党にないもの」として、私立高校の授業料無償化を引き合いに出し、各都道府県で支援がまちまちだと指摘した。その上で、「どこに住んでも、どこの私立高校に通ったとしても平等な支援策を受けられるように、全国的に私立高校の授業料の実質無償化を推進すべきだと考える」として、安倍首相の考えを聞いた。

これに対し安倍首相は、低所得の家庭に限って大学などの高等教育無償化に向けた政策を年内に取りまとめるとした「人づくり革命」を改めて説明。その上で、「私立高校の授業料の無償化についても検討していきたい」などと述べた。

安倍首相の発言に対してネット上には「必要ない」「5年以内に実現して」など、様々な意見が投稿された。

■かつて自民党はこんな「高校無償化」を提案していた

自民党は2012年2月、機関紙「自由民主」の中で私立高校の授業料について触れている。この時政権に就いていたのは民主党だったが、自民党は2010年4月にスタートした公立高校の授業料無償化について、「公立と私立との格差や自治体間の就学支援策の格差が広がっている」と批判し、私立高校生向けの支援などを訴えていた。

一方で「所得の多い家庭の子供の授業料まで国が支援する必要があるのか」などと主張。公立高校の授業料無償化も、「所得制限を設ける対象を世帯年収700万円以下に絞る」「低所得者世帯を中心に公私の授業料の差額分を支給する」など、条件付きの政策案を提案していた。

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