シリアの戦闘激化で支援がストップ、137人の子供たちが生命の危機に

「状況は日ごとに悪化している」

国連児童基金(ユニセフ)は12月10日、シリアの首都ダマスカス周辺で孤立した137人の子供たちが、緊急医療支援が必要な状態だと発表した

ダマスカスから東におよそ10キロにあるグータ東部では戦闘が激化し、食料や医療の支援が停止している。この地域には2013年以降およそ40万人が暮らしていると見られる。ユニセフによると、医療支援を待つ間に、少なくとも5人の子供が死亡したという。

ユニセフのシリア代表、フラン・エキザ氏は声明で「グータ東部では戦闘が激しさを増し、多くの子供がじっと耐えている。状況は日ごとに悪化している」と述べた。

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生後7カ月から17歳まで、137人の子供が腎不全や栄養不良で生命の危機に立たされており、緊急医療支援が必要となっている。

ユニセフはシリア内戦に関わるすべての勢力に対し、国内の子供のために無条件で人道的支援を受け入れるよう呼びかけた。内戦では空爆で病院や近隣の住宅が破壊され、伝染病や栄養不良が拡大する原因となっている。

ユニセフによると、ゴータ東部では5歳以下の子供のうち12%が深刻な栄養不良に陥っているという。これは2011年の内戦勃発以来最悪の数値となっている。

ベルギーのルーヴァン・カトリック大学の調査によると、シリア内戦でこれまで少なくとも40万人が死亡している。そのうち、死亡した子供たちの割合は4人に1人だという。

「子供たちは未だに恐怖のどん底で生き延びている。今こそすべての勢力が正しい行動を取り、戦闘を停止する時だ」と、ユニセフのエキザは述べた。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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