河野太郎外相が外相専用機の導入への意欲を示したことを「おねだり」の表現で報じた産経新聞に対して、河野外相は12月19日の閣議後の記者会見で「私にはちょっと信じられない」と批判した。
産経新聞は18日、「来年はぜひ外相専用機を」河野太郎外相、自民党部会で「おねだり」候補に米「650ER」の見出しで以下のように報じていた。
河野太郎外相は18日の自民党外交部会で、平成31年度予算での外相専用機の導入に意欲を示した。候補機種に米ガルフストリーム社の「650ER」の名前を挙げ「20人乗りだが、(米国の)東海岸まで給油なしで行ける」と"おねだり"した。
外務省公式サイトによると、河野外相は19日の会見で、外相専用機の導入プランについて「真剣に検討しなければいけない」と改めて表明した。
皇族や首相は外遊時に政府専用機を使うが、外相は民間機を使うことが多い。
2013年1月から現在までの約5年間に日中の外相が訪問した国の数を比較すると日本が97カ国に対して、中国が262カ国と3倍近い差がついていることを明かした。
その上で、以下のような理由で外相専用機が必要であると訴えた。
例えば島嶼国を回ろうとすれば、民間の商用ルートで行けば、いちいちハブまで戻らなければなりませんから、島嶼国を全部回るというのは、これはかなり困難であります。
そういう中で必要な時に、専用機を使えるというのは訪問国を増やす上でも非常に大きな役割を果たすと思いますし、中東を訪問しているときなどは、相手の王室から突然会談の申入れがあったり、あるいは今回のエルサレムのような問題が起きると、突然中東でアラブの諸外国の外務大臣の会合が開催をされるなど、日程の変更が度々ある中で、やはりどう機動的に対応していくかということを真剣に考えていく必要があると思っております。
そういう中で、外務大臣あるいはそのスタッフが移動する際、すべて民間の商用機を使わなければいけないというのは、かなり日本の国益を考えるとハンディキャップとして大きいのだろうと思います。
河野外相は専用機を購入するという手段だけでなく、レンタルやリース、あるいは日本の企業が持っているビジネスジェットを空いているときに有料で借りるなどのプランも紹介。「真剣に検討しなければいけない」と話した。
外相専用機の候補「ガルフストリーム G650ER」の価格は?
外相専用機の候補として河野外相が挙げた「ガルフストリーム G650ER」とはどんな飛行機だろうか?
国内販売を手がける丸紅エアロスペースによると、最大19席のプライベートジェット機で、最大航続距離は1万3890キロ。東京からアメリカのマイアミまでノンストップで飛行可能。
ビジネス・インサイダーの報道によると、価格は6650万ドル(74億円)だという。
外相専用機の必要性をめぐって議論になりそうだ。