2018年03月27日 20時10分 JST | 更新 2018年03月28日 11時54分 JST

【夫婦で妊活】生理がきてガッカリ、妻にどう声かける? 共感を呼んだ答えはこれだ

経験者と医師が教える妊活最前線

HuffPost

妊活は、将来のふたりのために取り組むものなのに「パートナーとの温度差を感じる」「思い通りに進まず焦る」といった悩みをひとりで抱えている人もいるのではないだろうか。妊活を始める前から不安を感じている人も少なくない。

女性の基礎体温を記録するアプリ「カラダのキモチ」を提供しているドコモ・ヘルスケア株式会社は、夫婦のための妊活イベント「妊活基礎講座 〜夫婦でできること〜」を3月3日(土)に都内で開催した。

妊活の基礎知識や、それぞれの気持ちや悩みを共有し、夫婦で協力して妊活をしてほしいという思いから、夫婦またはカップルで参加してもらった。

第一部の「夫婦の妊活基礎知識」で講師として登壇したのは、産婦人科専門医 宋美玄(ソンミヒョン)先生と、男性不妊専門医の石川智基先生。生殖医療の最前線に立つふたりの医師から、妊活の知識を学ぶ。第二部では、妊活体験を綴った著書「俺たち妊活部」で知られるライターの村橋ゴローさんも交え、妊活に関する質問や悩みに答えるディスカッションを行った。

「シンデレラ体重」はNG 標準体重を保つこと

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産婦人科専門医の宋美玄(ソンミヒョン)さん。1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社)など。2017年に丸の内の森レディースクリニック開院。

イベントの冒頭で、妊娠の基礎を解説した宋先生。女性の妊娠率についても話が及んだ。女性は年齢とともに卵子の数が減っていき、妊娠率が下がる傾向にあるが、年間約100万人が妊娠するうち、約4分の1が35歳以上だと語る。

「35歳以降、妊娠率が下がる傾向にありますが、34から35になって急に下がるというわけではありません」(宋先生)

では、妊活に向けて女性が気をつけることはどのような点だろう? 宋先生は次のように解説した。

ドコモ・ヘルスケア

「実は、妊娠する上で一番重要なのは体重です。体脂肪が極端に多くても少なくても、排卵障害の原因になるためよくないのです。最近話題になっている"シンデレラ体重"なんてもってのほかです。標準体重を保つようにしましょう」(宋先生)

標準体重は、体重と身長の関係から肥満度を示す国際基準であるBMI「体重(kg)÷ 身長(m)÷身長(m)」が18.5~24.9の範囲内とされている。

一方のシンデレラ体重は、BMIの標準体重を下回る「やせ」(低体重)の領域に入る。女性はモデルのような細身の体型に憧れる傾向にあるが、妊娠するためのホルモン分泌や、健康への悪影響があり、妊娠しづらくなるリスクがあると指摘した。

不妊の原因、半分は男性にある

続いて男性不妊専門医・石川智基先生が男性側の妊活について解説した。女性の不妊症への関心が高まる一方で、未だに広く認識されていないのが男性の不妊症だ。石川先生は、「不妊の原因の半分は男性にある」と指摘した。

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男性不妊専門医の石川智基さん。1974年生まれ。神戸大学医学部卒。男性不妊症治療のトップランナー。大学卒業後、日本、アメリカ、オーストラリアの3カ国で生殖医療の基礎研究、臨床に従事し、最先端の診療を学び、論文を多数発表。治療が不可能だった無精子症の治療や手術を数多く成功させている。主な著書に『男性不妊症』(幻冬舎)など。2013年リプロダクションクリニック大阪、2017年リプロダクションクリニック東京を開院。

「5〜6組に1組のカップルが不妊症と言われている。不妊の原因は女性だけではないのに、男性はなかなか検査に行かない。10人に1人の男性が精子・精液のトラブルを抱えているのが現状」(石川先生)

石川先生は「男性不妊」と「女性不妊」を同時に診療できる不妊専門クリニックを開業。食事や買い物のついでに夫婦で立ち寄ってもらい、コミュニケーションが円滑になるようにと、商業施設内につくったそうだ。石川先生は、妊活に消極的な男性側の意識を変えるべく「妊活は夫婦で取り組むものである」とし、夫婦そろって受診することの大切さを説いている。

男性の精子は極端に減少している

男性不妊とひとことで言っても、その原因は多岐にわたる。精子の数が少ない乏精子症、精液中に精子が含まれない無精子症、精子の運動率が低い精子無力症、性交しても射精に至らない性機能障害もある。

「論文データによると、最近の男性は、勃起が弱く、射精の勢いが悪くなっている。40年前に比べて、運動精子の数が極端に減少しているというデータもある。なにが原因かは不明。大気汚染や、パソコン・携帯電話などの機器によるものなど諸説あるが、減っていることは事実。精子の数が少ないことで、自然妊娠率はもちろんゼロではないが、確率論として難しくなるということ」(石川先生)

では、男性側が妊活に向けてすぐにできることはなんだろう? 石川先生は次のように解説した。

ドコモ・ヘルスケア

「精巣は、サウナなどの熱に弱いため、長時間の利用は控えること。精子は酸化ストレスにも弱く、タバコを吸うこと、古い精子を溜め込むことなどが悪影響となります。以前は、数日間の禁欲期間を設けた方がいいという説もありましたが、いい精子を出すためには、2日に1度の目安で射精するのが理想です」(石川先生)

男性も女性と同じように、まずは自分のカラダを知ることが重要だ。男性にとって受診がハードルになるなら、スマートフォンを使って精子の状態をチェックできる簡易ツール(Seem)もある。こうしたツールを活用することが、クリニックに足を運ぶきっかけになるかもしれない。

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夫婦で妊活。神経質になりすぎないで

夫婦で気をつけることとして、規則正しい生活、バランスの摂れた食事、睡眠、適度な運動などが挙げられるが「これって、長生きするにはどうすればいいですか?という質問と同じ回答になるんですよね」と宋先生。

「食事・睡眠・運動は健康の基本であって、これを守れば妊娠しやすくなるかといったらそうでもない。カフェインを摂らないように常にルイボスティーを飲んだり、バランスのとれた食事のために、自炊を頑張りすぎたりする方もいますが、神経質になるのはかえってストレスの原因です。食事は美味しいものを楽しみながら食べて、足りない栄養素はサプリで補えばいい。コーヒーも1日1~2杯なら平気です。極端に崩れた生活はダメですが、几帳面になりすぎる必要はありません」(宋先生)

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妊娠しやすいベストタイミングを知ろう

妊活を始める際、最初に取り組む方法として、最も妊娠しやすい排卵日前に性交渉する「タイミング法」があげられる。排卵日を正しく知り、ベストなタイミングをパートナーと共有することが妊活にはとても重要だ。

基礎体温を記録するアプリ「カラダのキモチ」は基礎体温データを自動でグラフ化したり、過去の月経日や周期日数をもとに排卵日予測できるほか、医師や専門家が監修している妊活に役立つ情報が無料で利用できる。

ドコモ・ヘルスケア
「カラダのキモチ」アプリでは、毎日基礎体温を記録していくことで、月経予定日や予測排卵日がわかる。妊活をサポートするコンテンツも豊富だ

「基礎体温をつけて排卵日のパターンがわかったら、排卵日予測検査薬などを使ってよりベストなタイミングを知ることができます。排卵日予測検査薬は、排卵日前に多く分泌される黄体形成ホルモン(LH)を検出します。アプリと併用して、決まった時間に毎日使うことをおすすめします。」(宋先生)

イベントの展示ブースで紹介された排卵日予測検査薬「ハイテスターH」(第1類医薬品)は、排卵の前に大量分泌される、女性ホルモン「黄体形成ホルモン(LH)」を検出し、排卵日を予測する検査薬。ラインの本数で判定するからわかりやすいという特徴がある。「カラダのキモチ」アプリと併用することで、よりわかりやすく排卵日の予測ができる。

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「ハイテスターH」は尿をかけるだけで初めてでも簡単に検査でき、排卵日が約1日前にわかる。(※ハイテスターHは薬剤師からの説明を受け、「使用上の注意」をよく読んでお使いください)

「ネット見ちゃだめ。SNS禁止!」

第二部から登場したのはライターの村橋ゴローさん。村橋さんは夫婦で3年間の不妊治療に取り組み子どもを授かった。

妊活は「ふたりの絆を深める良薬にもなれば、劇薬にもなる」と話す村橋さん。実際に妊活している夫婦からは、コミュニケーションに悩む声も聞かれる。第二部では、参加者から寄せられた質問や悩みに、宋先生、石川先生、村橋さんの3名に答えてもらった。

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村橋ゴローさん。1972年、東京都生まれ。ライターとして男性誌から女性誌など幅広い分野で活躍。千原ジュニア、田村淳、高橋克典など多くの芸人、俳優陣の連載構成を手掛ける。3年に及ぶ、自身の妊活奮闘記をまとめた著作『俺たち妊活部』(主婦の友社)を出版。

Qどのように妊活の情報収集をすればいいかわからない

村橋さんネット見ちゃだめ。SNS禁止。(会場笑)ちゃんと活字になった信頼できる読み物から情報収集するのがいいですよ」

宋先生「ブログなどは、個人の解釈が入っていたりするので過信するのは危険です」

石川先生「皆が同じ症状、同じ治療でないにもかかわらず、ネットを見て"あの人と自分の治療は違う"と不安に感じる人も多く、医療不信につながるのでおすすめしません」

Qクリニックはどのように選べばいいですか?

村橋さん「(自分の場合)例えるなら、愛想はいいけどすごくまずいラーメン屋より、3時間並ぶけど美味しいラーメン屋がいいと考えて、有名なクリニックを選びました。妊活していることを周囲に話していたら"こっちのクリニックのほうがいいよ"と紹介してもらえるようになったんです。よい情報を呼び込む意味でも、ある程度のカミングアウトはしたほうがいいと思います」

石川先生「病院を経営している立場なのでなかなか言いづらいのですが、みなさんが思っている以上に、医療の差はあります。通ってみて違うと感じたら変えてみるのもいい。村橋さんの話にもありましたが、周囲に話すことで、ネットにはない情報が口コミで得られます。話しづらいかもしれませんが、ちょっと話してみると意外と周りがサポートしてくれたりします」

村橋さん「このご時世、アラフォー夫婦に石を投げればだいたいみんな妊活しています。ぜんぜん恥ずかしいことではないので、どんどん話すべきだと思います」

宋先生「クリニックは、有名なところと、優秀なところはまた別だったりするので、なかなかよい結果が出ないなら"長期間同じところで粘らない"というのもポイントです」

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「生理がきてガッカリ」そんなときは...?

Q妊活を続けていくなかで、どうやって妻に寄り添っていけばいいのでしょう?(男性からの質問)

村橋さん「妊活について男ってできることってないんじゃない?という男性からの声は多いです。実際、女性側の負担が多く、男性にできることは健康な精子を出すことくらい。でも逆に言えば、できることはいくらでもある。つらい思いをしている妻のために、男が家事を全部やってあげるとか。そういうサポートを日頃からしてください」

Q「生理がくるとガッカリしてしまう。ストレスを溜めないようにしていますが、やはり落ち込んでしまいます。どうしたらいいですか?」(女性からの質問)

 

村橋さん「妊活の一番の大敵は一喜一憂することなんですよ。その都度、喜んだり、落ち込んだりしていると心が持たない。お茶、お華、妊活......という感じで"たしなむ"ような感覚で焦らずに取り組むのがおすすめです。結果が変えられないのなら、心持ちを変えましょう」

Q「生理がきて落ち込む奥さんに、どのような声かけをしたらいいでしょう?」(男性からの質問)

村橋さん「(声かけは)いらないと思います。というのは、男は普段からちゃんと家事をするなど行動していればいいと思うんです。言葉よりも行動が大事。逆に、落ち込んでいる時に『だいじょうぶ?』『がんばってね』とか普段は何もしていない夫にいわれるとイラっとするんじゃないかな。」(会場笑)

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妊活を機に、ふたりの「働き方」を見直して

Q共働きだと忙しい毎日で、なかなか沢山タイミングがとれません。また妊活の焦りや、仕事へのストレスがあります。妊活するにあたって休暇をとったほうがいいのでしょうか?

石川先生「休む必要はないと思います。ただ、クリニックによっては指定された日時でないと受診できないところがある。それだと非常につらい思いをすると思います。ライフスタイルに合ったクリニックをなるべく選んでください」

村橋さん「(自分の場合)この日の何時に、という指定がかなり厳しいクリニックだったので、うちの奥さんはとても疲れ果てていました。そういう場合、妊活を数カ月間お休みするのもいいと思います。赤ちゃんが欲しいという気持ちも大事だけれど、自分自身が壊れたら元も子もない。自分の身体を一番大事に考えてほしい」

宋先生「休暇までは必要ないですが、肝心な時に忙しくてタイミングが取れないとならないように、お互いなるべく定時で帰れるようにするのがいいです。というのも、妊活の次は、出産・育児があるので、長時間労働は、双方にとってよくないです。仕事が忙しくてストレスを抱えている人は、妊活を機に、今の働き方を見直すことも必要なのではないかと思います」

◇◇◇

今回のイベントに参加した夫婦は約50組。始めは緊張ぎみだった参加者も、徐々に笑顔が見られリラックスしていた様子。時折ふたりで見つめ合ったり、頷きあったりといった、仲睦まじい夫婦の姿が印象的なイベントとなった。

主催:ドコモ・ヘルスケア株式会社

協賛:武田コンシューマーヘルスケア株式会社

協力:株式会社リクルートライフスタイル

運営:ハフポスト日本版