ツール・ド・フランス、美女からの「勝利のキス」廃止を検討。性差別的との批判を受けて

スペインの自転車レースではすでに廃止。惜しむ声も
「ツール・ド・フランス」で表彰台に立ち、ポディウム・ガールにキスをされる選手
「ツール・ド・フランス」で表彰台に立ち、ポディウム・ガールにキスをされる選手
Robert Pratta / Reuters

世界最高峰の自転車レース「ツール・ド・フランス」で、優勝者に祝福のキスを贈る女性「ポディウム・ガール」がなくなるかもしれない。AFP通信によると、この慣行は「2018年にはそぐわない、性差別的なステレオタイプ」だとして、フランスのパリ市当局が廃止を検討しているという。

自転車レースでは、ステージ優勝者に花束を進呈したり、美女が両側から挟んでキスする光景がよく見られていた。だが、近年は性差別的であると批判が上がっており、スペインを舞台にした自転車レース「ブエルタ・ア・エスパーニャ」では昨年、ポディウム・ガールを廃止した。パリ市でもこの流れを支持して、ツール・ド・フランス優勝者を、ポディウム・ガールではなく若いアスリートたちに祝福してもらう意向を示した。市は今後、必要な措置を大会主催者やローラ・フレセル仏スポーツ相に要求していくという。

近年、エンターテイメント業界や政界でセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を告発する「#MeToo」運動が盛んになったことなどを受け、スポーツ界でも女性の扱いについて大きな注目が集まっている。

1月には、自動車レースのフォーミュラワン(F1)の興行主である米リバティ・メディアが、「時代にもブランドにも合わない」として華やかな衣装でスタート地点に立っている「グリッド・ガール」の廃止を表明している

自転車レース業界では、スペインのマイケル・ランダ選手がCNNの取材に対し、「ポディウム・ガールによる表彰は古い伝統。女性を物のように扱い、女性を過小評価している」と述べた。ブエルタに続き、世界的レースであるツール・ド・フランスでのポディウム・ガール廃止検討に、日本のTwitter上では「これも世の中の流れ」という意見が出る一方、「もう『勝利の女神』という存在が性差別なのか?」と廃止を惜しむ声も上がっている。

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