吉田栄作、白髪の天才雀士・アカギ役 ドラマ『天天和通りの快男児』出演
俳優の吉田栄作が、福本伸行氏の麻雀漫画(竹書房)を、岸谷五朗主演で実写化するドラマ『天 天和通りの快男児』(テレビ東京で今秋放送、ほか)で赤木しげる(アカギ)役を演じることが発表された。
あまりに冷徹な麻雀の打ち回しから悪魔と恐れられる、負け知らずの超天才。その揺るぎない己の能力とカリスマ性で、原作ファンの中で絶大な人気を誇るアカギ。その後、彼を主人公にしたスピンオフ作品『アカギ~闇に降り立った天才~』が生まれ、今年2月に最終回を迎えるまで27年もの間連載が続いた大人気漫画となった。
先月、『天 天和通りの快男児』のドラマ化が発表された際、SNS上ではドラマ化や岸谷五朗演じる天貴史の再現率の高さに加え、「アカギ役は誰なのか?」がファンの間で大きな話題になっていた。実際、「赤木しげるのキャスティングは正直相当悩みました」と明かす松本拓プロデューサーだったが、吉田をキャスティングし、「すでに撮影に入っておりますが、赤木しげるの再現度はかなりのものだと自負しています」と語っている。
吉田自身も「コミックの『赤木しげる』のビジュアルに近付こうと思いました。演者には気分的なものも大切で、ビジュアルを寄せることで気持ちからキャラクターに近付き、その世界観を映像の中でも再現できたらと考えています」と、ヘアスタイルも白髪にして役作りにも気合が入る。
「赤木の打つ麻雀やせりふは、経験から来る"自信"と"センス"、そして風向きさえ味方にする"強運"で勝ち続けた裏付けのある結果なのだと思います。雀神とまで呼ばれる赤木には全く及びませんが、自分がこの世界で生き続けて来られた経験をせりふに投影してみたいと思っています」。
芸能界で長年活躍してきた吉田は、東映映画『ガラスの中の少女』(1988年、主演は後藤久美子)でスクリーンデビュー。スピーディーな展開からジェットコースタードラマと呼ばれる先駆けとなった『もう誰も愛さない』(フジテレビ)に出演し、一躍人気に。1990年代はトレンディードラマに欠かせない俳優として一世を風靡(ふうび)し、時代の寵児と呼ばれた。一方で、歌手活動も行い、チューリップのヒット曲をカバーした「心の旅」を1990年にリリースすると、その年の『NHK 紅白歌合戦』に出場するなど、まさに時代の象徴と呼ばれる存在となった。
近年では2003年に大河ドラマ『武蔵』(NHK)やドラマ『ブラックジャックによろしく』(TBS) の演技が評価され、ギャラクシー賞奨励賞を受賞。映画では、05年『亡国のイージス』、07年『ミッドナイトイーグル』、09年『真夏のオリオン』、11年『連合艦隊司令長官山本五十六』、17年『グッバイエレジー』などの話題作で好演を見せている。今年4月期のドラマ『未解決の女』(テレビ朝日)で演じた枯れた教授役もネットで話題となった。
年齢を重ね渋さと確かな演技力を兼ね備えた吉田が満を持してテレビ東京とタッグを組み今作では白髪姿に。驚異の原作再現率のルックスで、一体どのようなアカギを見せてくれるのか。
テレビ東京のほか、BSジャパンでも放送予定(時期未定)、「Paravi」での配信も決定している。
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