首都圏で風しん流行中、ワクチン接種は自分に必要?厚労省が呼びかける事前の検査って?

子どもが欲しいならぜひ注意を。首都圏などを中心に7月から患者数が増加している
写真は予防接種のイメージ画像です。
写真は予防接種のイメージ画像です。
Getty Images/iStockphoto

風しんが、7月から首都圏を中心に流行し始めている。

予防には、 ウイルスに感染するのを防ぐ「抗体」を体内に作るワクチンの接種が一番有効。だが数に限りがあるため、すでに抗体を持っている人には必要がない。

そのため厚生労働省は9月27日、専門家会議を開き、ワクチン接種前の抗体検査を呼び掛けることを決めた。

対象は...

厚労省によると、風しんの免疫があるかを調べる抗体検査の呼びかけ対象になるのは、妊娠を希望する女性や、妊婦と同居する家族で、ワクチンの定期接種がなかった30代から50代の男性など。

現在のところ、ワクチンは必要数を確保しているというが、多く発生している地域では、「限られた資源を無駄にしないように、抗体検査を受けてほしい」としている。

ワクチンの定期接種がない1979年度以前生まれの男性で、50代までの世代は約1500万人という。妊娠を希望する女性の数を合わせると、すべての人数を網羅する分のワクチンは用意されていない。

また、1979~1990年度に生まれた20~30代は、1回だけ接種を受けた世代で、十分に抗体が作られていないケースがある。

抗体検査は無料で受けられる

抗体検査はどこで受けられるのだろうか。

厚労省によると、各自治体の保健所で、無料で検査の申し込みができるという。

厚生労働省・風しん感染予防の普及・啓発事業ページより

場所によっては電話での予約が必要になり、各自治体で実施状況は異なる。結果は1~3週間後に通知される。

妊娠中の人にうつさないように

風しんは、「子どもの病気」と思われがちだが、2012~2013年に大流行したときは、患者の中心が20~40代の男性だった。

何よりも恐ろしいのは、風しんに対する免疫が不十分な妊娠前期の妊婦がウイルスに感染した場合、生まれてくる赤ちゃんの目や耳、心臓などに障害が起こる可能性があることだ。

厚生労働省・職場における風しんガイドラインより

風しんは感染力が強く、症状が出る前後1週間ほどは他人に移してしまう恐れがある。また、症状が出ない人も15%ほどいる。

厚労省健康課の担当者は「2013年の大流行の時期に比べると、規模はまだそこまでではないが、今後終息するか拡大するかは分からない。妊娠中の方や、その周囲の方には特に正しい知識と情報を持ってもらうよう注意喚起したい」と話している。

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