北朝鮮で南北鉄道の着工式 めどは立たず、意思示す狙い
韓国と北朝鮮は26日、北朝鮮・開城の板門駅で、南北鉄道・道路の連結・近代化事業の着工式を開いた。ソウルから平壌、中朝国境へと向かう京義線と、東側を走ってロシアと結ぶ東海線を改修する南北協力の目玉事業。国際社会の対北朝鮮制裁が続く中、実際に工事に着手するめどは立っていないが、実現に向けた強い意思を示す狙いがある。
事業は文在寅(ムンジェイン)大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が4月に署名した「板門店宣言」に盛り込まれ、南北がともに重視してきた。韓国側は金賢美・国土交通相ら約100人がソウルから列車で軍事境界線を越えた。北朝鮮側は李善権・祖国平和統一委員長らが出席。中国やロシア、モンゴルの鉄道関係者や、国連アジア太平洋経済社会委員会事務局長も参加した。
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式では南北代表の祝辞やレール締結式、道路表示板の除幕式などが行われる。実際の着工には北朝鮮の非核化と、建設資材搬入などの経済制裁の緩和が必要となるが、韓国側は11月末~12月中旬には韓国の調査車両を使う現地調査を実施。事業の準備を進め、北朝鮮の非核化の意思が後戻りしにくくなると期待する。(ソウル=武田肇)
(朝日新聞デジタル 2018年12月26日 12時45分)
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