「カリオストロの城」フランスで初上映。40年間公開されなかったのは、ルパン三世の著作権トラブルが原因?

現地紙ル・モンドも称賛「一種の理想的なエンターテイメントを実現している」

宮崎駿監督が初めて手がけた長編アニメ映画「ルパン三世 カリオストロの城」が公開から40年後の2019年1月、フランスで初めて上映された

2019年1月にフランス国内で公開された「カリオストロの城」のポスター
2019年1月にフランス国内で公開された「カリオストロの城」のポスター
HuffPost Japan

■フランス政府が紹介

フランス政府留学局の日本支局は2月7日、フランスで「カリオストロの城」が上映されたことをtwitterで紹介し、「フランス留学中の方はぜひフランス語で様々な名シーンを見てみてください」と呼びかけた。

■上映まで40年...背景に著作権問題か

「ルパン三世 カリオストロの城」は1979年に日本で公開されたアニメ映画。原作はモンキー・パンチさんで、宮崎駿さんが監督を務めた。

ヨーロッパにある架空の国「カリオストロ公国」を舞台に、フランスの小説家モーリス・ルブランの作品に登場する怪盗、アルセーヌ・ルパンの孫という設定の「ルパン三世」が活躍する物語。

日本では度々テレビで放映されるなどし、根強い人気を保ってきた。

フランス政府留学局が紹介している現地のニュースサイト「Le Point」によると、この作品がフランスの映画館で上映されたのは初めてだという。

上映されるまで40年間かかった理由について、 ルパン三世という名前が、「アルセーヌ・ルパン」シリーズの著作権に抵触するとして、問題視されていたと同サイトは紹介している。

なお、作者モーリス・ルブランの死後70年が経過した2012年から「アルセーヌ・ルパン」シリーズの著作権が消滅。ルパンの名称に関わる問題がクリアになったことで、正式に映画公開できるようになったようだ。

そのため、以前から作品のビデオ版は出回っていたものの、主人公はルパンではなく「エドガー(Edgar)」や「ヴィドック(Vidoqc)」などと名前が変えられていたという。

フランスの大手紙「ル・モンド」はこの映画について「一種の理想的なエンターテイメントを実現している」と称賛している。

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