前回のファッションショー記事に続き、今度は6年来の付き合いである中華系マレーシア人の親友のウエディング・パーティに招待されました。
今は暦上、縁起のいい時期らしく、毎週のように中華系の人たちの結婚式があり、日時がかぶることもしばしばです......。
マレーシアではどの人種かによって結婚式も変容します。今回は、「中華系」に絞って結婚式事情をお伝えしますね!
1.時間通りに始まらない
▶中華系の結婚式では定番の、氷アート
ここはマレーシア、結婚式だって時間通りには始まりません。
でも招待状には19時ちょうどに始まると書いてあるし、新婦も真面目な人、もしかしたら本当に時間通りに始まるかも......と思いながらも、会場に着いたのは19時15分。
誰もいない。
結局最初の料理がサーブされたのは20時半、新郎新婦の入場は更に30分後でした(笑)。
2.化粧が濃い
なぜ結婚式が時間通りに始まらないのか? それは、新婦の準備に時間がかかりすぎるからです。
到着から待つこと1時間半、入場のアナウンスもなくいきなり新郎新婦が登場!
慌ててカメラを向けた先には......「誰?」。新婦である友人はふだん一切化粧をしないこともあり、これは街ですれ違っても気づかないくらいの変わり様!
本当に新婦かどうか確かめているうちに、すっかりシャッターチャンスを逃しました(笑)。
3.参列者が多い
中華系の結婚式の特徴は、参列者が多いこと。親戚の友人、近所の人など新郎新婦とさほど親密でない人たちも次々と現れます。
以前、上海の友人の結婚式に参加した時は参列者が約500人でした。
そのため、新郎のスピーチも、みんなあまり聞いていません。
私の場合は、向かいの席の人がずっと携帯で電話していたので、その話し声しか聞こえませんでした。そして暇さえあれば日本人の私たちに話しかけたり、食事を勧めて皿に取り分けたりしてきます。これはパーティでも家に招かれた時も同様。
何度断っても食べ物を勧められ大変ですが、マレーシア人の優しさの表れですよね。
4.一応知っておきたいマナー
よくご祝儀の金額について質問を受けますが、マレーシアでは、日本のように服装やご祝儀の額に関する決まりはありません。親族などとても近い間柄でない限り、100リンギ(約2500円)で十分かと思います。
これを「アンパオ(紅包)」という、日本でいうポチ袋に入れて渡します。
このアンパオも特別に用意することはなく、春節の期間にコーヒーショップや銀行などで配られるもので大丈夫。一方、日本のご祝儀袋に入れて渡したらとても豪華だと喜ばれるでしょう。
服装も、普段着の男性もいればチャイナドレスの女性も。特に決まりはありませんので、好きな服を着てOK。
5.キャンドルサービスの代わりに「ヤム、セーイ!」
豪華な食事も中盤、新郎新婦が各テーブルを回り始めました。
何をするか? そう、乾杯です。その時の掛け声は「ヤム、セーイ!」で。セーイの部分をなるべく長く言うのがポイント(?)、そして一気飲み......。
もちろん無理はしなくてもいいのですが、新郎は各テーブルで「イッキ」をさせられるので大変。
この頃には参列者もほろ酔いゴキゲンになっているので、新郎新婦そっちのけであちこちからヤムセーイが聞こえてくるようになります。
6.新郎がいなくなるハプニングも
全く存在感のない司会者(笑)が、何やら慌てて新郎を探し始めました。
友人からのサプライズ動画を流そうと思ったのに、新郎が見当たらなくなってしまったようです。酔いが回ってしまったのでしょうか?
完璧にオーガナイズされた日本の結婚式では、まず見られないシーンですよね!
7.司会はテキトー!
ようやく新郎が戻り、さて司会の続きを......と思いきや、さっきまで英語を話していた司会者が広東語で話し始めました。突如、内容が理解できなくなる私たち。
母国語のほうが、話しやすかったようです。
何やらスピーチや誓いのキスが行われているようなのですが、ステージを取り囲むカメラマンのおかげで全然見えません。そして会場はヤムセーイの嵐......。
宴会は深夜まで続きます。私が宴席を後にしたのは23時過ぎでしたが、まだほとんど誰も帰る気配はありませんでした(笑)。
最後に
日本での一般的な結婚式・披露宴とは大きくかけ離れていて、面白いのが中華系マレーシア人の結婚式。ここで大切なのは、同じテーブルの人たちとのおしゃべりと料理とお酒を楽しむ気持ちだけなのです。
とても気軽・気楽に参加できるので、ぜひ機会があれば行ってみてくださいね♡ 良い意味でのカルチャーショックが、たくさんあるはずです!
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ライター
木村 希/Nozomi Kimura
Cluster Belladonna Sdn. Bhd. CEO / Jkids Malaysia Playground & Kids Party Director / グローバルウーマン協会(GW) マレーシア支部長
1988年、秋田県生まれ。山形大学在学中の2010年に初渡馬。2011年12月に子どもの遊び場『Jkids Malaysia Playground & Kids Party』1号店をオープン。その後3年でマレーシア国内8店舗を展開。同社を2015年8月末にて事実上退任、心機一転新会社を設立。同年10月にマレーシア初のファミリーカラオケ『Jparty Karaoke & Party Room』立ち上げに参画。のち「マレーシアと日本を繋ぐ」イベント&婚活ビジネスを始めた矢先、妊娠が発覚。並行してベビービジネスを開始。2016年4月「Made in Japan」ベビー&家庭用品専門店『PARADISE from Japan』を2店舗開店。更なる展開を目指す。夢はマレーシア観光大使になること。
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