卵の殻がツルリとむける!「ゆで卵」の作り方の秘密がわかった!

料理の裏ワザには、ちゃんとした理由がありました。
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クックパッドニュースで最も人気のある記事ジャンルといえば「裏ワザ」。実は、料理の裏ワザには、驚きだけでなくちゃんとした理由があるんです!その理由を、料理研究家・関岡弘美さんが、クックパッド食みらい研究所 特任研究員・石川伸一先生に徹底取材。裏ワザの科学的根拠を解説します。

料理研究家の関岡弘美です。料理の「裏ワザ」と呼ばれる意外なテクニックが成立する理由を解明するこのコーナー、第5回目のテーマは「ゆで卵をきれいにむく裏ワザ」。今回も、みなさんに代わって裏ワザの裏側にある、科学的な理由を解き明かしていきたいと思います。

ツルリとむける!ゆで卵は何が違う?

卵は、毎日の食卓に登場する定番食材の1つ。そんな卵を使った料理の中で、よく聞く悩みの1つが、ゆで卵の殻むき。白身が殻にくっついてしまい、きれいにむけないという声に応え、卵の殻がきれいにむける裏ワザが、注目を集めています。

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上記の裏ワザ、ゆで方はそれぞれ違いますが、実は共通するポイントがあります。それは「ゆでた後、すぐに氷水につけて急冷する」ということ。実際に、どれくらい差がでるか、試してみました。

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卵を1パック用意し、すべて同じ条件でゆでてききます。

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今回は、卵を室温に戻した状態で熱湯に入れ、8分ゆでます。

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加熱後、半量はゆでた後ざるにあげて、自然に冷めるまで放置します。残り半量は、ざるで水気を切ったあと、すぐに氷水につけて急冷します。

◆冷めたゆで卵をむいた結果が、こちら

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(左)自然に冷ましたもの、(右)氷水で急冷したもの

氷水で急冷したもの(写真右)は、5個中5個がきれいにツルリとむけました。一方、ざるにあげて自然に冷ましたもの(写真左)は、1つはきれいにむけましたが、残り4個は殻に白身がくっついて、一緒にはがれてしまいました。

殻と卵の収縮の差が、きれいにむける秘訣だった!

氷水で急冷すると、ツルリと殻がむけるしくみについて、宮城大学の石川先生にうかがいました。

ーすぐに冷水につけると、きれいに殻がむけるのはどうしてでしょうか?

「ゆであがった卵を冷水につけると、殻も、中身の卵も冷えて縮みます。しかし、殻と中身の卵では、この収縮の程度の差が違うことから、殻の内側にある卵殻膜という薄皮の部分と、卵中身の間に"隙間"ができます。この隙間のおかげで、卵の殻がはがれやすくなるのです。

また、冷水につけて卵の殻の外側が冷えると、まだ熱い卵の中身から出た蒸気が冷えて水となり、殻と中身の間に水がたまった状態にになります。その水が、殻と白身の密着を防ぐので、殻がむきやすくなるとも考えられています。」

ー冷水につける以外にも、殻がむきやすくなるポイントはありますか?

「卵の鮮度は、殻のむきやすさに大きく影響し、新鮮な卵ほどむきにくく、時間がたった卵ほどむきやすいことが明確に分かっています。

卵は産まれてから時間が経つにつれて、卵白に溶けていた二酸化炭素が外に放出されます。これが卵殻膜の間にたまって、気室という空気の層ができます。気室があることで、殻と卵白との間に隙間ができるので、ゆでたときに殻がむきやすくなります。産みたてのたまごよりも、一週間くらいたった卵のほうが、むきやすくなっているでしょう。

また、卵のpHも、殻のむきやすさに大きく関係します。新鮮な卵ほど卵白のpHが比較的低く、時間がたつにつれて高くなっていきます。pHが低いほど、卵白と殻の内側が強く結合するので、殻はむきにくくなります。新鮮な卵をむきやすくするには、pHを高くし、アルカリ性にすることです。卵をゆでるお湯に重曹を加えれば、簡単にアルカリ性にできます。目安としては、お湯1Lに、小さじ1/2程度の重曹を加えてゆでるといいでしょう。ただし、重曹を入れると、卵の硫黄臭が強くなるので、注意が必要です。」

きれいにむけないイライラも、ポイントさえわかれば、これで解消!毎日の食卓に登場する卵だからこそ、きれいにむけたゆで卵で、見栄えよく食卓を飾りたいですね。

◆取材協力

石川 伸一(いしかわ しんいち)

福島県生まれ、博士(農学)。宮城大学食産業学部准教授、「クックパッド食みらい研究所」特任研究員。専門は分子食品学、分子調理学、分子栄養学。主な研究テーマは、鶏卵の機能性に関する研究。『料理と科学のおいしい出会い 分子調理が食の常識を変える』(化学同人)、『必ず来る! 大震災を生き抜くための食事学』(主婦の友社)ほか著書多数。

執筆:料理研究家 関岡弘美

出版社にて食育雑誌の編集に携わった後、渡仏。 料理、製菓等を学び、レストラン、パティスリーで研修後、帰国。 雑誌、広告等を中心に活動するほか、都内でおもてなし料理とワインの教室を主宰。近著に、『10・15・20分でできる毎日かわいい園児べんとう』がある。ブログはこちら

クックパッド編集部

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