元気と自信は美しい姿勢から生まれる

着飾っていても、綺麗にお化粧をしていても、年より老けて見える人っていますよね。そういう人に共通しているのが"悪い姿勢"。
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どんなに着飾っていても、綺麗にお化粧をしていても、年より老けて見える人っていますよね。そういう人に共通しているのが"悪い姿勢"。姿勢が悪いとなぜ老けた印象になってしまうのか......それは姿に勢いがないから。"しせい"は漢字で勢いのある姿と書きます。普段、何気なくとっている姿勢が私達の心身の元気度、健康度のバロメーターになっているのです。

あなたの姿勢は高齢者と同じかも

姿勢という字には"女"という漢字が使われています。今回は、女性の姿勢について考えてみましょう。女性が通る妊娠・子育てというステージ、実はこの2つが女性の姿勢に大きな影響を与えています。

私達の背骨を横から見るとS字状のカーブを描いています。背筋を伸ばしてみると、腰のあたりは少し反っています。つまり、背骨はまっすぐ積み重なっているのではなく腰、胸、首の3箇所でカーブを描き、衝撃を和らげるバネのような構造になっているのです。妊娠すると赤ちゃんの成長とともにお腹は前にせり出し、赤ちゃん側の重み(胎盤、羊水等で計4~5kg)は背骨にかかるため腰の反りは強くなります。妊娠中に腰痛経験者が多い理由の一つがこれです。

そして、産後。子宮の大きさや重さが戻れば、もとの姿勢に戻りそうなものですが、残念ながらそうはいきません。産後は育児で前かがみの動作が増えて背中は丸くなります。赤ちゃんを抱っこする時はお腹の上に乗せるような姿勢になるため、腰も丸くなります。背中と腰が丸くて、お腹の力も抜けている人、これはまさに高齢者。女性の場合、出産を経験することで若くても高齢者の姿勢になる危険性があるのです。

綺麗な姿勢には"力"がある

姿勢という字に使われている漢字のもう1つが"力"です。妊婦さんのご主人に「パートナーの体は産後元に戻ると思いますか?」と聞くと、「多分」と答えます。「それでは理想の女性の体をジェスチャーで表現してください」と言うと、胸が大きくて、ウエストが細くて、ヒップがキュッと上がっているジェスチャーをしてくれます。ママ達は「えーっ」と言いますが、実はご主人の理想はとても正しいのです。大きな胸の表現=猫背ではなく胸が上を向き肋骨が引き上がっているということ。細いウエストの表現=腹筋に力をいれて腹圧が高まり腰に負担がかからない状態。さらにヒップが上がっている表現=腰に適度な反りがあり、本来のS字状のカーブがあるということです。男性から見て理想的な姿勢は体の元気を表現した魅力的な姿勢です。「綺麗に見せる!」を頑張ったら、実はそれが良い姿勢になるのですね。

ただし、これをキープするためには「力」が必要。胸を張って、お腹を凹ませて、骨盤を立てる、これだけでも立派な運動です。出産経験のない人も他人事ではありませんよ。気づいたら、魅力的な姿勢を心がけてみましょう。

【今月のエクササイズ】 坐骨で座るエクササイズ

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椅子に腰掛け左右の坐骨のとんがっている部分で座ります。手のひらで腰を少し前に押して胸を少し上に。お腹をへこませ5秒キープ。

ライター: 小林 香織(一般社団法人日本マタニティフィットネス協会 理事兼チーフディレクター)