「孤独」の早死リスクは「肥満」の2倍

社会から孤立した生活は、早死にのリスクを14%も高めるという研究成果が発表された。この数字は、肥満による早死リスクのおよそ2倍に相当するという。
Open Image Modal
Alessia Pederzoli via Getty Images

社会から孤立した生活は、早死にのリスクを14%も高めるという研究成果が発表された。この数字は、肥満による早死リスクのおよそ2倍に相当するという。

この研究結果は、米イリノイ州シカゴで2月16日(現地時間)に行われたアメリカ科学振興協会(AAAS)の年次総会で、シカゴ大学のジョン・カチオッポ教授が発表したものだ。「UChicagoNews」の記事でも紹介されている。

カチオッポ教授は、55歳以上の成人2000人を対象に、身体的・精神的な健康の衰え方を調査する長期研究を行ってきた。

同教授によると、孤独は、主観的な幸福感を全体的に低下させるだけでなく、睡眠を妨げたり、ストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌を増加させて血圧を上げるなど、さまざまな有害な影響をもたらす危険性があるという(過剰なストレスでコルチゾールが多量に分泌されると、血圧や血糖レベルが上がり、免疫機能が低下し、記憶に関連した脳の海馬が萎縮する等がわかっている)。

英紙『Independent』に掲載された記事によると、カチオッポ教授は、退職後にこれまで自分を支えていた社会のネットワークから離れることで、孤立感が増大する可能性があると指摘している。「人々は退職というと、温暖な気候のフロリダ州で家を購入し、それまでの友人や家族から離れて、その地でずっと幸せに暮らしていく、というようなことを考える。だが、おそらくそれは得策ではないだろう」と、同教授は警告する。

では、孤独による早死にを防ぐためにどんなことができるだろうか? 友人や家族と過ごす時間を増やしてみよう。「本当に大事なことは、人間づきあいと、相互に支え合うことだ」と、カチオッポ教授は米紙『USA Today』の記事で述べている。「人生におけるストレスや困難は、信頼できる人と分かち合えば、より耐えやすくなるのだ」

[(English) 日本語版:丸山佳伸、合原弘子/ガリレオ]

ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています

関連記事

「長生きにつながる性格」
まじめさ(01 of06)
Open Image Modal
「倹約家で根気づよく、細部にまで注意深く、責任感もある若者は長生きする」という調査結果がある。\n (credit:Alamy)
よく笑う(02 of06)
Open Image Modal
243人にのぼる100歳以上の人たちを調査した結果、人生に対して肯定的な姿勢をとる人が多いことがわかった。\n\n\"When I started working with centenarians, I thought we\'d find that they survived so long in part because they were mean and ornery,\" study researcher Dr. Nir Barzilai, M.D., director of Einstein\'s Institute for Aging Research, said in a statement. \"But when we assessed the personalities of these 243 centenarians, we found qualities that clearly reflect a positive attitude towards life.\" (credit:Alamy)
社交性(03 of06)
Open Image Modal
社会的な関係性が強力であると、生き残る率が50%上昇するという。\n\n\"We take relationships for granted as humans -- we\'re like fish that don\'t notice the water,\" BYU\'s Timothy Smith said in a statement about the findings. \"That constant interaction is not only beneficial psychologically but directly to our physical health.\" (credit:Alamy)
楽観性(04 of06)
Open Image Modal
243人にのぼる100歳以上の人たちを調査した結果、ほとんどが楽観的でのんきな人々であることがわかった。研究者らによれば、性格は70歳以降にも変化しうるので、彼らのこうした性格がいつ形成されたかについてはわからないという。 (credit:Alamy)
毎日が幸せ(05 of06)
Open Image Modal
3000人以上を調査した結果、日常生活が幸せと答える人は、5年後の生存率が35%高いという。 (credit:Alamy)
外交的(06 of06)
Open Image Modal
100歳以上の人々を調査した結果、外交的な人が多く、神経質な人は少なかったという。「神経質でない人は、ストレスのある環境でも、より効果的に対応できやすい。また、外交的な人は友情を築きやすい」 (credit:Alamy)