「どんなに運動したところで、デスクワークは寿命を縮める」(研究)→じゃあ、どうすれば良いの?

「もっと運動する」より大切なのは…。
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THOMAS BARWICK VIA GETTY IMAGES

「座りっぱなしは体に悪い。だから仕事の後にランニングをしよう、そうすれば動かなかった分を取り戻せるはず」。そう思って運動している人をがっかりさせるような研究が、アメリカ心臓協会から発表された。

8月15日に学術誌「サーキュレーション」に掲載された研究によると、何時間も座りっぱなしでいることによる体への悪影響は、どれだけ運動をしても埋め合わせできない、という。

この研究によると、平均的なアメリカ人は1日6〜8時間は座って過ごしている。しかし、長時間座っていると、糖尿病や心臓病、がんのリスクを高め、不安感も増えるという。

とはいえ、デスクワークをしていると、どうしても一日中座りっぱなしになってしまう。どうすればいいのだろう?

これまでの研究から、座っている間に時々体を動かすのが良いとわかっている。体を揺らす程度でも効果が期待できるそうだ。しかし、それだけでは不十分だ。

今回の研究が勧める効果的な方法、それは「もっと運動する」ことではなく「座る時間を減らす」ことだ。

「どれくらい体を動かしたかに関係なく、長時間座っていることは、心臓と血管の健康を悪化させます。座ったままの習慣が、病気になる確率や死亡率を高めるという証拠がみつかっています」と研究の責任者デボラ・ヤング博士は報告書で述べている。

簡単に言えば、「座りっぱなしの生活を続けていると、寿命が縮まる恐れがある」ということだ。今のところ、座っていても健康に悪影響がない時間はわかっていない。今できる一番いい方法は「座る時間を短くして、動く」ことだ。

まずは、こんなシンプルな取り組みから始められるかもしれない。

・テレビを見る時間を減らして、代わりに活動的な趣味をつくる。

・徒歩もしくは自転車で通勤する。

・会議室を飛び出して、歩きながら会議をする。

・携帯のアラームをかけて、アラームが鳴るごとに立ち上がったり、ストレッチをしたりして座る時間を減らす。

シンプルな対策だけれど、体はスタンディング・オベーションをして喜んでくれるかもしれない。

ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。

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座っていることが体に悪い6つの理由
① 糖尿病のリスクを上げる(01 of06)
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ミズーリ大学の研究者は、一日の大半を座って過ごすことは、糖尿病や肥満、非アルコール性脂肪肝疾患のリスクを上げることになり、そのリスクは定期的に運動していても減らない、と発表した。 (credit:Alamy)
② 死亡リスクを上げる(02 of06)
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アメリカ疫学雑誌の発表によると、約13年にわたる研究の間、1日6時間以上座って過ごす生活をしている女性は、座っている時間が3時間以下の人たちより40%近く死亡リスクが高かった。男性の場合は、1日6時間以上座って過ごす人は18%死亡リスクが高かった。\n (credit:Alamy)
③ テレビの前で時間を過ごすことは、数分でも体によくない(03 of06)
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イギリススポーツ医学雑誌が掲載した研究によると、テレビの前に1時間座っていることで平均余命が22分短くなる可能性がある。また、1日6時間もテレビを見て過ごす座りっぱなしの生活は、平均余命を5年短くする可能性がある。 (credit:Alamy)
④ がんとも関係がある(04 of06)
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MSNBCのリポートによると、乳がんや腸のがんの発症は運動量と関係があり、座っていることは、年間170,000件以上のがんの原因になっている可能性がある。\n\nしかし、記事によると、少しのウォーキングでも大きな効果が見込まれる。「多くのがんの場合、30分の早足でのウォーキングといったシンプルな運動でもがんのリスクを減らすことができるようです」とアルバータヘルスセンターの疫学者クリスティーン・フリーデンライヒはMSNBCの取材に答えている。 (credit:Alamy)
⑤ お尻が大きくなる(05 of06)
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ハフポストUK版の報告によると、体の一部(例えばお尻など)に圧力をかけることで、通常より最大50%多くの脂肪をつけることがある。\n記事によると、科学者たちは、脂肪細胞の前駆細胞が長時間座ることに寄ってぜい肉になり、どんどん増えていくと考えている。これは動かない生活習慣がなぜ体重の増加を引き起こすのかの一つの説明になるかもしれない。\n (credit:Alamy)
⑥ 心臓発作のリスクを高める可能性がある(06 of06)
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Men’s Health誌に掲載されたMedicine & Science in Sports & Exercise誌の記事によると、1日の大半を座って過ごしている人は心臓発作で亡くなるリスクが54%高い、ということをルイジアナの研究チームが発見した。彼らの研究によると、座っていることはそれだけで心血管系疾患の重要なリスクになりうるということである。 (credit:Alamy)

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