1914年〜1918年に起こったヨーロッパの戦争から数年経って、その規模や影響力から、この戦争は「世界大戦」と呼ぶに相応しいと認められるようになった。そのため、この戦争には仰々しい名前が付けられ、24年後、同じように大きな影響を及ぼした激しい戦争が起こった時には、その頭に「第一次」と付け加えられた。まず戦争が起こり、その後、その規模や影響力に見合った名称が付けられる。世界が元の状態に戻ることはないことを考えれば、何年後かに、歴史家が中東地域で起こったことを振り返った時、「第三次世界大戦」という名前が相応しいと思うだろう。
この地域では、世界が真っ二つに分かれて代理戦争が繰り広げられている。アメリカ、ロシア、イスラエル、多国籍軍、旧支配層、そして独裁権力のすべてが、それぞれの影響力を保持し、拡大するためここで戦っている。同時に、激しい怒りを示すだけの武装勢力、宗教団体または民族グループも、古いものをすべて破壊し、新たな勢力構造と秩序を作り上げるために戦っている。
ここでは、不変なものでない限り、あらゆるものに賭けることができる。大抵、苦労は新しい人生につながる。だが、その新しい人生は、健全な人生かもしれないが、病に蝕まれた人生となる可能性もある。未来はあらゆる可能性に向けて開かれ、思考は混乱し、さまざまな疑問に苛まれる。私たちは、この戦争で得るものが何もない。私たちは威厳と正義を持って生きることだけを願うのだが、今はそのほとんどが生き延びることしか考えていない。飛び交うミサイルや集中砲火の軌道をソファの中で確認し、はるか遠くの国へ旅立つことや、再び人生を取り戻せる奇跡を夢見ている。私たちは、何が、どうして、どのように、どこでそれが起こるのか知らない。
通常、戦争は、報道の自由への攻撃で幕を開ける。その後、すべての光が消され、人間の生命の価値は貶められ、軍の記録、死体安置場、政治犯の収容所、あるいは、寿司詰めの船の中で死と隣り合わせで海をさまよう難民の数と化す。戦争では、夢や希望が失われる。少なくとも、なくすことが求められる。そして、忍耐、反逆心、生きる希望が生まれる。
私たちは、内戦の苦しみの真っ只中にいる。ここは自由や挑戦、そして命や答えを求める情熱に満ち溢れ、戦時下の子供たちと同じように何らかの楽しみを探す、新しいジャーナリズムの子供「ハフポストアラブ版」が生まれた場所だ。
ここのニュースルームにいる仲間は全員、分かりきったことをまた一から書き上げたり、すでに市場に溢れ返っているような記事を好まない若い世代だ。アラブ世界の紛争地域でよく見られるように、イラクは党派間の抗争や民族戦争だけの国、シリアは集中砲火を浴びせられているだけの地域、エジプトは権利と政治の危機に直面しているだけの国、とは考えていない。死者の数に興味があるのならば、他のニュースサイトを見た方がいい。だが、人がどのように瓦礫の中で生き延び、不安の中で笑顔を見せ、苛立ちの中で希望を見出そうとしているのか知りたければ、そして、何が、どうして、どのように、どこでという疑問への答えを知りたければ、ぜひ、ハフポストアラブ版をご覧いただきたい。
私たちがここで目的としているのは、雑音をすべて跳ね除け、事の核心に迫る、批判されることなく喜びや楽しい瞬間を見つける、誰もが失敗と分かっていることを嘆くのではなく成功談を交わす、そして、分断された軍事拠点同士の声をつなぐ橋渡しをする、というニーズを満たした記事を出すことだ。
何かを期待し、それが完全に外れたとしても、失望しないでほしい。驚きを与える――それは、他に13の国と地域にあるハフポストが得意としていることだ。このような若い精神のおかげで、このウェブサイトは世界中で20億人以上のフォロワーを獲得している国際メディアとなっている。フォロワーのほとんどは、自由を愛し、「狭い視野」を嫌う若者たちである。
1年以上前、初めて創設者アリアナ・ハフィントンと話した時、彼女は人々の生活を向上させるためにジャーナリズムは肯定的な役割を負わねばならないと力説していた。かつては文明や宗教の発祥地であったこの地域にある知恵、そしてその知恵を利用する必要性について話してくれた。同じように、私は、苦しみからの抜け道を探す積極性や、この土地の歴史や宗教的遺産から生まれた昔ながらの知恵は、この「第三次世界大戦」の時代に必要な武器だと信じている。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。