シンプルデザインの裏に広がる深い世界 アワード受賞の国旗の器とは

料理は皿への盛りつけ次第で無数の広がりをみせる。なかでも「kokki」を使うと。

東京ミッドタウンアワードを受賞し製品化されたkokki=朝日新聞社撮影

料理は皿への盛りつけ次第で無数の広がりをみせる。なかでも「kokki」を使うと。

「kokki」はアメリカ、日本、フランス、イタリアなど国旗をかたどったシンプルな白く四角い皿だ。食べ物を枠に沿って乗せていくと、想像力もはばたく。

「kokki」をプロデュースしたプロダクトデザイナーの山本悠平さんが作成し、2014年東京ミッドタウンアワードのデザインコンペで優秀賞を受賞した。

山本悠平さん=朝日新聞社撮影

A-portより

パーティーで使えば、大皿から好きなようにkokkiに取りわけてもらい、国旗にみたてて盛りつけた「作品」を見せ合うこともできる。

同じ食事でも取り皿次第で、こんなに見え方が違ってくるのかと感じさせられるという。

子供たちに使わせてみると、日本の国旗の真ん中をプチトマトで埋める子供もいれば、ししゃもをイタリアの国旗の枠に一本ずつ置く子もいた。

「普段食べているものも違って見える。お皿との関係でこんな感覚が作れるんだ」と驚いたと山本さん。

皿の製作にあたり、国旗というテーマを取り上げることについて、山本さんは最初、ためらいもあったという。

普段、いろいろな国の国旗を目にするのはサッカーやラグビーのW杯など国別対戦の場面だ。国旗というとナショナリズムを感じてしまうが、「kokki」というプロダクトにすることで、繊細なテーマを乗り越えようとした。

「国旗は、ナショナリズムが関係する繊細なテーマだけれど、いろいろな国の人が集まっているパーティーで、出身国と違う国の皿を選んで盛りつけてみて、その国の見方を変えてみると、会話も変わってくるかもしれないですね」と山本さんは話している。

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