フィアットとイタリアの家電メーカー、SMEG(スメグ)社は、両社のコラボレーションによる素敵な冷蔵庫「SMEG500」を発表。この6月にはオンラインで注文受付を開始する。1950〜70年代に生産されていたイタリアの大衆車、2代目「フィアット500」のフロント・マスクを象った、レトロなデザインの冷蔵庫だ。
以前ご紹介したピクニックテーブル同様、仕掛け人はフィアット元会長ジャンニ・アニエッリの孫で、ファッション・ブランド「イタリア・インディペンデント」を率いるラポ・エルカン氏。彼がプロデュースした「フィアット500デザイン・コレクション」の第2弾となる。
イタリアらしいデザインを重視した家電やキッチン用品が日本でも人気が高いスメグ社は、第二次世界大戦後の1948年、北イタリア・エミリア=ロマーニャ州のグアスタッラで創立された。1950年代には、自動車産業以外の分野にも積極的に進出していたフィアットと共同で、やはり冷蔵庫を製造していたという。当時の製品はもちろん、一般的な「白物家電」としての(そして文字通り白くて四角い)冷蔵庫だったが、今回60年ぶりに行われた両社のコラボレーションでは、ラポ・エルカンのセンスとアイディアが加えられ、写真のようなファッショナブルでユーモアを感じさせる冷蔵庫が出来上がった。単なる思い付きで造った様にも見えるが、「開発には数年掛かった」とエルカン氏は言う。「フィアット500はイタリアのアイコン的存在ですが、これからは世界中のバーやリビング・ルームのような、今までとは別の次元の場所でも見ることが出来るようになるでしょう」
スメグ社のヴィットリオ・ベルタッツォーニCEOは、「私にとってこのスメグ500を作ることは、創立者でありかつてフィアットと冷蔵庫を作った祖父の想い出に対して敬意を払うという、個人的な栄誉でもありました。その上、メイド・イン・イタリーの工業製品が驚異的な力量を持つことの証明にもなっています」と語っている。
フィアット500のボンネット(に、そっくりな蓋)を開けると、ステンレス製のコントロール・パネルと2枚のガラス製スライド式ドアがあり、中には取り外し可能な3つのボトル・ホルダーや1つの飲料缶用の棚が備えられている。容量は100リッターで、温度調節機能と自動霜取り機能付き。定格出力70W、年間消費電力は115kWh/年というから、大きさのわりに意外と省エネ。とはいっても家庭用電源の電圧が100Vの日本で使うには、変圧器が必要になると思われる。大きさは幅125cm × 奥行き80cm × 高さ83cm(ボンネットを最大80度まで開けると150cm)。ボディ・カラーはイタリア国旗に因んでビアンコ(白)・ヴェルデ(緑)・ロッソ(赤)の3色が用意される。
価格はまだ公表されていないが、すでに公式サイトからメールで注文を受付中。納期は最低2ヶ月掛かるという。気になる方は、以下のリンクからスメグの公式サイトおよびフィアット500デザイン・コレクションのサイトをどうぞ。