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2018年04月16日 16時17分 JST | 更新 2018年04月17日 16時45分 JST

サイボウズ式:髪を切ることは本業ではなく、もはや副業みたいなもの──美容師 木村直人×サイボウズ 青野慶久

投資をしている人は、経営者の髪を見るといいかもしれませんね(笑)。

ある日、青山のおしゃれな美容室「LOVEST青山 by air」に連れてこられたサイボウズの青野社長。

サイボウズ式
状況が飲み込めないながらもサイボウズ式の企画に協力しようとする青野。微妙な笑顔だ

これまでも青野はサイボウズ式で、ZOZOTOWNさんクックパッドさんレアジョブさんなどにご協力いただき、数々のチャレンジ企画に挑戦してきた。

最近ではSoup Stock Tokyoなどを経営するスマイルズの遠山社長に服装をコーディネートしていただいた。

青野:今日は何? 髪の毛切られるの?

小原:はい、カリスマ美容師の木村直人さんに青野さんの髪をカットしていただきます。

サイボウズ式
木村直人(きむら・なおと)さん。人気美容室 air / LOVESTの執行役員、Director。モデルや女子アナウンサーなどのヘアも手がけるカリスマ美容師。自身が運営するメディアは月間200万PVを超え、オンラインサロンの運営も行っている

小原:木村さんは、Twitterのフォロワーが2万8,000人もいる有名美容師なんですよ。

青野:(僕より多い......)

小原:美容業界の中でも特殊な働き方をしている方なので、働き方改革について意見を聞けたらおもしろいかなと思ってセッティングしました。

青野:なるほど。

小原:あと、青野さんはいつも1,000円カットで髪の毛を切っていらっしゃるということなので、たまには"カリスマ美容師"の方に切っていただくのもいいんじゃないかと思って。

青野:1,000円カット、素晴らしいのに......!

木村:こんにちは、木村です。よろしくお願いします。髪の毛やヘアスタイルについて、何か悩みはありますか?

青野:うーん、しいて言えば、髪のボリュームが均等じゃないのが気になっていますね。顔の横部分の髪が主張しがちというか。

木村:青野さんは、典型的な「日本人経営者の髪」ですね。

青野:えっ、そんな特徴ありますか!?

木村:経営者の方は、疲労で毛が細く、髪の毛が柔らかくなっている方が多いです。

日本人の8割くらいはハチが張っていて、髪の毛が細くなるとトップの部分から薄くなるので、相対的に顔の横、サイドの髪が主張しがちなんですよ。

青野:そうか、髪が細くなると、本数が減っていなくても薄くなったように見えてしまうんですね。

木村:体感ですが、やっぱり社長クラスの方は髪が薄くなりやすいなとは思います。

青野:(......気を付けよう)

サイボウズ式
青野慶久(あおの・よしひさ)。1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立した。2005年4月には代表取締役社長に就任(現任)。社内のワークスタイル変革を推進し、離職率を6分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得している。2011年からは、事業のクラウド化を推進。厚生労働省「働き方の未来 2035」懇談会メンバーやCSAJ(一般社団法人コンピュータソフトウェア協会)の副会長を務める。著書に『ちょいデキ!』(文春新書)、『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社)

木村:今日は、サイドのボリュームをおさえながらトップをふわっとさせたらいいかなと思っています。

青野:よろしくお願いします。

そもそも美容室は利益率の低いビジネスモデル。20代半ば頃まではお金がなくて借金もあった

サイボウズ式
青山のおしゃれ美容室でシャンプーされる青野

木村:青野さん、年齢お伺いしても良いですか?

青野:46歳です。

木村:その年齢の経営者にしては、白髪が少ないですね。ストレスが少ないのかな?

青野:たしかに、ストレスはそんなにないかもしれません。

木村:投資をしている人は、経営者の髪を見るといいかもしれませんね(笑)。その会社の状況が少なからずわかる気がします。

サイボウズ式
投資家でもある木村さん。「一部上場企業の経営者の方は人前に立つ機会が多いので、髪にも気を配ってほしいなと思います。髪の毛がイメージに与える影響は大きいです。決算説明会で疲れているように見えたら、株も買わないですよね」

木村:サイボウズってヘアサロンでもよく使われているシステムですよね。6〜7年くらい前から、美容業界でもよく名前を聞きますよ。

青野:おお、ありがたいです。

美容業界って給料が安くて離職率が高いイメージがあるんですけど、それは合っていますか?

木村:一般的には、美容師は離職率が高いみたいですね。自分の周囲では、意外と離職率は高くないんですけど。

給料が安いというのは、そもそも美容室って利益率が低いビジネスモデルなんですよ。固定費に対して人件費が多くかかるし、肉体労働で仕事自体キツイ。

青野:ふむふむ。

木村:僕、今39歳なんですけど、20代半ば頃までは借金もあってお金もなくて。

どうしてだろうと考えたときに、美容室には経費や人件費がかかりすぎてるから、たくさんお客さんが来ても儲からないんだということに気づいたんです。

髪を切らなくても収入的には問題ない。髪を切ることは「副業」

青野:普通に街の美容室の美容師をやっていても、お金が手に入らないことに気づいた、と。

木村:はい。だから、あまり経費のかからない別のことをやってみようと思って、オンラインサロンやブログ運営を始めたんです。

現在は、そちらでも収入を得ています。あとは個人資産の管理会社もあるので、そっちからも給与をもらっています。

青野:すごいですね。

木村:正直、もう髪を切らなくても収入的にはあんまり問題がないんです。

これまでに1カ月で1,000万の個人売り上げを出したり、1日38人カットしたこともあって。実際にやってみた結果、自分はそんなにいっぱい髪を切りたいわけじゃないんだなと。それよりもひとつひとつの純度をあげていきたいです。

サイボウズ式
話をしている間にも、青野のカットはどんどん進んでいく

青野:木村さんは、有名になった後も独立をされていないんですね。

木村:普通は働いている美容室から独立して、自分の店を持って......って道筋なのかもしれないんですけど、美容室のビジネスモデルは基本的に儲からないってわかっているからそんなにやりたくなくて。

もちろん、この会社を愛しているから残るっていうのもありますし、自分の店を持つよりも、美容師としてのノウハウを生かしてより多くの人に情報を届けていきたいと考えています。

髪を切ることは自分の仕事のすべてではなくて、「副業」みたいなものなんです。

青野:おもしろいですね。今、「本業は?」って聞かれたら、何と答えていますか?

木村:‟アクティビスト"って名乗ってますね。僕がやっているのは「人をアクティブにさせること」なんじゃないかと。

どうやって人をアクティブにさせるかというと、まだ言語化されていない、みんなの思考や思念に注目するんです。

青野:人が無意識に求めているものを考えるんですね。

木村:そうです。「みんなが深層心理で求めているのはこれかな?」というものを形にする。それが、オンラインサロンだったり、カラー剤だったりします。

サイボウズ式
木村さんのカットは「理論とか技法とか、全部無視してる」とのこと

木村:それが本当に人が求めているものであれば、ちゃんと成功する。

例えばオンラインサロンは400人の会員さんを減らさずに3年間運営しましたし、新しく立ち上げた1,000円/1カ月のサロンも300人の方に参加していただいています。

青野:人が無意識に求めているものがわかるようになったのは、なぜなんでしょう?

木村:やっぱりSNSをやっていて、いろいろな人の言葉を受け止めた結果、わかるようになったんだと思います。

最近増えているフリーランスの美容師、弟子制度の是非...美容業界の働き方改革は?

サイボウズ式
あっという間にカットは終了

青野:木村さんは、今急速に進められている働き方改革について、何か思うことはありますか?

木村:いいんじゃないですかね、働き方改革。

ただひとつ言うとしたら、残業がない会社がいいとか、給料がいい会社がいいとかいろいろな目線があると思うんですけど、僕は「自分で何かを生み出したくなったときに、それに協力的な会社」を選ぶのがいいかなと思います。

青野:個人が何かを生み出そうとしたときに、副業NGなどの就業規則とかで邪魔しない会社、とも言えますね。

青野:最近、フリーランスの美容師さんも増えていると聞きます。

木村:そうですね。でも、やっぱり個人だと規模がそんなに大きくはならないですよね。年商2,000万くらいでやっていくイメージでしょうか。

その規模でいい人はいいと思うんですけど、国レベルでイノベーティブなことをしていきたいとか、大きなことをしたいと思ったら、やっぱり組織に入っていることは便利だと思います。

青野:美容業界で働き方改革が起きるとしたら、どういうところだと思いますか?

木村:弟子制度ですかね。僕は、美容師免許を持っていれば、どうやって切ってもいいと思うんですよ。

今のように5〜6年かけて修行するとかではなく、逆にいきなり独立させるとか、出資して外に出させたりするのもおもしろい気がします。

もし弟子制度がこれからも続いていくとしたら、教えるべきは技術よりも生き方だと思います。

サイボウズ式
スタイリング剤を使って仕上げていく

木村:僕は来年から、週3日くらいはここでヘアカットをして売上をたてて、残りは違う場所に参画しようかなと思っています。

青野:会社にも籍を置きつつ、他の活動にも力を入れていくと。

木村:はい、違う形で美容のビジネスを広げていきたいので。もし何億円か持っていたら、「髪を切るのはもう辞めちゃえ!」ってなるかもしれませんけどね(笑)。

誠実かつ革新的。サイボウズの社長らしいヘアスタイルが完成!

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完成!

青野:おお! こんな自分みたことないですね。不思議な感じです。

木村:誠実かつ革新的な感じを表現しました。一部上場企業の経営者なので誠実さが大切なのと、グループウェアで世界を変えようとしている企業なので、イノベーティブさも出したいなと。

<Before>

<After>

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スマイルズの遠山社長にコーディネートしてもらった服と、木村さんにカットしてもらった新しい髪型で、見た目の印象がガラリと変わった

木村:トップは長めで残して、ツーブロックのように内側は短めにしているので、スタイリングで抑えようと思ったら抑えられるし、遊びもプラスできる髪型です。

青野:すごい!

木村:例えば、真面目に登壇するときには前髪を斜めに流してみてください。逆に、ちょっと華やかな場所に行く時などは、トップのふんわり感を大事にしつつ、前髪を流しすぎずにスタイリングしてくださいね。

サイボウズ式
この撮影の次の週に、Cybozu Days 2017で叶姉妹との登壇を控えていた青野。「その日は華やかスタイリングにしよう~」

執筆・橋本結花/編集・田島里奈(ノオト)/撮影・栃久保誠/企画・小原弓佳


サイボウズ式」は、サイボウズ株式会社が運営する「新しい価値を生み出すチーム」のための、コラボレーションとITの情報サイトです。 本記事は、2017年12月26日のサイボウズ式掲載記事髪を切ることは本業ではなく、もはや副業みたいなもの――美容師 木村直人×サイボウズ 青野慶久より転載しました。