「Warm Heart, Cool Head」をコンセプトに
ゲストや参加者の皆さんと様々な議論を重ねているマザーハウスカレッジ。
先日行われた第61回マザーハウスカレッジは、
働き方改革の旗手であるサイボウズの代表・青野さんと
ハフポスト日本版編集長の竹下さんをゲストにお呼びして
「『会社』はなくなってしまうのか?多様化する働き方と、組織のかたち」をテーマに熱い議論を戦わせました。
経営者として会社作りに執念を持ってやっている(つもり)の僕にとっては、
最高の学びの場でした。
「100人いれば100通りの人事制度があってよい」、
そんな考え方から副業の自由化や柔軟なリモートワークをはじめとして、
多数の自由な働き方を提供しているサイボウズ。
しかし私が感じたのは、むしろその裏側にある
「適切な会社つくりのプロセスと制度設計」でした。
サイボウズがなぜ働き方で最も先進的となったのか?
そこには3つのプロセスがあると感じました。
①創業経営者・青野さんの挫折と覚悟
青野さんは26歳で共同創業者2人創立したサイボウズは、
29歳の時に上場するなど飛ぶ鳥を落とす勢いでした。
しかし、社長に就任した後に繰り返したM&Aで
十数億円の損失を出し、社員の離職率も28%まで上昇。
社長を辞めることも考えるなど大きな挫折を味わいます。
徹底した落ちたところで腹落ちした覚悟が、
世界最高の「グループウェア」をつくろうということと、
最高のチームワークあふれる社会、
そして会社をつくるということでした。
命を懸ける覚悟が決まったその日から、
全ての行動が変わり、周りもその鬼気迫る覚悟に、
気持ちが動かされていったといいます。
②共通の価値観に基づいた徹底した会社づくり
その覚悟が決まった日から、
サイボウズは徹底して「グループウェア」に集中。
関係ない事業は全て売却、興味ないスタッフにも理解して
もらうことで辞めてもらっていったのです。
その理念のために、血を流すことも辞さない改革でした。
そして「チームワークに溢れた会社をつくる」ために、
徹底した人事制度改革をスタートさせました。
③責任と自由を持たせるロジカルなプロセスと制度づくり
自由な働き方の裏側に、徹底したアプローチがあります。
仕事の見える化を進めるための、グループウェア。
責任を明確にする、質問責任と説明責任というルール。
途中サイボウズスタッフの方も登壇してもらいましたが、
自由の裏側に強い責任を感じられていました。
そして、オフィスの作り方に関しても、
全スタッフを巻き込んで、リモートではなく、
オフィスを作る意味を徹底して考えて作ること。
プロセスにも社員が健全に巻き込まれることで、
自分たちで作った仕組みに責任を持たせていました。
この3つのプロセスがあってこそ、
自由な働き方の先進事例に
サイボウズがなったのだと感じました。
「今の働き方改革が、残業時間削減とかになってしまっている。間違った方向にいっている。」
青野さんが仰ったことは私も強く感じていることです。
実は、副業やリモートワークなど、新しい働き方提案は、
「会社とは何か?」を考えることでもあります。
自由な働き方が成り立つ背景には、
徹底した理念や価値観の共有と、
責任や仕事をシェアする不断の努力があってこそなのです。
逆に言えば、皆が行きたい会社、理念に共感している会社
そのために働いていれば、どこでどう働こうと、
会社に貢献する行動を続けることができるのだと思います。
私たちマザーハウスは、まだまだ働き方という意味では、
サイボウズの背中も見えないくらい後ろにいますが、
沢山のヒントをもらった気がしました。
青野さんの著書「チームのことだけ、考えた」は
会社作りに興味がある人は絶対に読んでほしい本です。
さて次回は、7月12日(水)20時~ マザーハウス本店。
今度は、DIAMONDハーバードビジネスレビューの
前編集長・岩佐文夫さんをお呼びして、
今の会社が役割をどう考え、
働き方改革にどう向き合っているか、
一緒に議論していきたいと思います。
ふぅ、沢山書きたいことがあるなぁ。まとまらない。
来週の議論も最高に面白いはず。お時間合う方はぜひいらしてくださいー!