広報は経営だ!
そんなコンセプトの本が4月6日、全国の書店、各ECサイトに登場します。タイトルは『戦略思考の広報マネジメント』。編著は電通PR内にある組織、企業広報戦略研究所です。
ソーシャルメディアの普及、日本企業のグローバル化、ステークホルダーの価値観の多様化など、広報を取り巻く状況は刻一刻と変化しています。
こうした中で"広報とは何か"を改めて問い直す試みをしてみることにしました。(それがこの本の出版につながるとは誰が予想したでしょう...)
我々なりに出した結論は、「広報は経営である」ということ。変化の激しい時代に、企業が成長し続けるには、自らより良い経営環境をつくることが必要です。広報にはその推進役としての役割が期待されているのではないかと考えたのです。
では、そのためには何が必要か。
そのままですが、経営戦略とリンクした広報戦略であり、それに基づいた広報活動の実践ではないかと。
そう考えたときに、広報というものが、現実としてどこまでその課題に対応できているのか。考えても仕方がない、調べようか、ということで、企業の広報力を調査することから始めました。
しかし調査と言っても、自ら設定したテーマが壮大過ぎて、何から手を付ければいいのやら。熟考に熟考を重ねた末、8つの視点を設けることにしました。
情報収集力
情報分析力
戦略構築力
情報創造力
情報発信力
関係構築力
危機管理力
広報組織力
企業がいわゆる広報活動を展開するときのプロセス、そして必要であると思われる取り組みを"力"で測ってみようと思ったのです。
そして始まりました。
題して、
「企業広報力調査2014」。またまたそのままですね。
調査設計に半年、実査に1カ月、集計に1カ月...。今考えてもかなりハードな日々でした。
上場企業を対象に行った本調査は[1]、日々行っている広報活動についてアンケート調査を行い、8つの広報力という軸で調べてみると、いくつかの興味深い特徴を浮かび上がらせてくれました。
たとえば、全体的に情報発信力に偏りがちで、中長期的な広報戦略をつくる習慣があまりないことや、高い業績を挙げている企業ほどアウトプット前の「情報分析力」や「戦略構築力」にかなりの時間と力を投入していること、などなど(これらは今後の展開のために残しておきますね)。
本日出版された『戦略思考の広報マネジメント』では、この調査から見えてきた日本の企業広報の強みと弱みを解説するとともに、マスメディアやデジタルメディア、ステークホルダーの意見、先進的な企業の具体的な広報活動への取り組みなどを紹介しています。
この短期連載では、『戦略思考の広報マネジメント』の番外編として、8つの視点とはどういうもので、どんな傾向がみられ、どう改善していくことで経営に貢献できるのか、といった点を可能な限りわかりやすく解説していきたいと思います。本日より隔週で更新していこうと思います。お時間のある方はぜひお付き合いいただければと思います。
[1] 調査対象:東証一部、二部、マザーズ、ジャスダック、札証、福証など、国内の上場企業(3,503社)*広告・PR業は除く|回答社数:479社 (未上場等は除く)*回収率 13.7%|調査実施期間:2014年1月6日(月)~2014年2月10日(月)