2011年2月の戦略提携以来、Windows Phone で密接な協力関係を続けてきたマイクロソフトとノキアから、いきなり大きなニュースがありました。マイクロソフトはノキアの携帯電話およびサービス( Devices & Services ) 事業を買収し、あわせてノキアの保有特許と、マップサービスのライセンスを受けます。
取引額は端末&サービス事業の買収で約37億9000万ユーロ、特許ライセンスに16億5000万ユーロで、総額 約54億4000万ユーロをマイクロソフトが支払います。日本円にして約7130億円。
両社の取締役会はすでにこの取引を承認しており、今後はノキア株主の承認手続きと関係当局からの認可を得て、2014年の第1四半期にも完了する予定。
両社の発表によれば、今回の取引は2011年以来のパートナーシップとノキア Lumia シリーズ Windows Phone スマートフォンの成功を踏まえ、より迅速なイノベーション、相乗効果の強化、統一したブランディングとマーケティングを買収を通じて可能にし、モバイル機器市場におけるマイクロソフトのシェアと利益増大を加速すること。
マイクロソフトはノキアの携帯電話事業全体を買収することで、Lumiaなどスマートフォンのブランドとともに、Ashaなど非スマートフォン (フィーチャーフォン)も手に入れることになります。
マイクロソフトのバルマーCEO (一年以内に引退予定)のコメントは:
"It's a bold step into the future - a win-win for employees, shareholders and consumers of both companies. Bringing these great teams together will accelerate Microsoft's share and profits in phones, and strengthen the overall opportunities for both Microsoft and our partners across our entire family of devices and services,"
"In addition to their innovation and strength in phones at all price points, Nokia brings proven capability and talent in critical areas such as hardware design and engineering, supply chain and manufacturing management, and hardware sales, marketing and distribution."
「(今回の取引は) 未来へ向けた大胆な一歩であり、両社の従業員、株主、消費者全員にとっての利益となります。優れたチームをひとつに統合することで、携帯電話市場におけるマイクロソフトのシェアと利益増大は加速するとともに、われわれが扱うすべてのデバイスおよびサービスに渡って、マイクロソフトとパートナー企業にとっての機会はさらに増すことになります。」
「すべての価格帯の携帯電話におけるイノベーションと強みに加えて、ノキアはハードウェアデザインやエンジニアリング、サプライチェーン、製造管理、ハードウェアの販売・マーケティング・流通など、実績ある能力と才能をマイクロソフトにもたらします。」
さらにノキアは、現CEO である Stephen Elop 氏が辞任し、Devices & Services 部門担当のエグゼクティブバイスプレジデントに就任することも明らかにしました。後を引き継ぐ暫定 CEO には、取締役会会長の Risto Siilasmaa 氏が就任する予定。
今回の買収取引が完了した時点で、Elop 氏はマイクロソフトに移籍し同部門の責任者に就任する見込みです。
ノキアによれば、そのほかにもDevices & Service 事業の主要なリーダーの多くが買収と同時にマイクロソフトにそのまま移籍するとしています。