ミドルの転職 編集長の岡田です。
立つ鳥跡を濁さず。できることならそうしたいのですが、ミドルが退職する際には、そう上手くいかないという声をよく聞きます。転職先が決まり、いざ会社に退職意向を告げたところ、強い引き止めにあった、はたまた大きなトラブルになったという話も。退職が会社に大きな影響を持つミドル人材。無策で臨むと痛い目に遭いそうです。
そこで今回は、ミドル人材の退職に数多く立ち会った転職コンサルタントに、起きやすい退職トラブルの内容と、トラブルにならないためのポイントを伺いました。ぜひご参考下さい。
ミドルの退職時、もっとも多いトラブルは「企業からの強引な引き止め」
Q: ミドルクラスの求職者の方が、退職時・退職後にトラブルになってしまう理由として多いものを教えてください。
ミドル人材の退職トラブルで、もっとも多いのが「企業から強引な引きとめに合ってしまう」76%。次いで「自分の業務の後任が決まらない」60%。この2つのトラブルが圧倒的に多い結果になりました。
後任が決まるまで待ってほしいと依願されて承認したものの会社が動いてくれないなど、もしも転職先の企業から入社時期を提示されていた場合は肝を冷やすトラブルですね。さらに、転職コンサルタントのフリーコメントには、
後任者を手配できないからと引き留められ、気持ちよく転職したいとの気持ちから内定先を待たせ、最終的に辞退。その後、退職意思があることが分かった現職会社が後任者を手配したため居場所がなくなり、現職も退職することになった。現職会社に義理をたてた求職者だけが失職し、その後半年以上再就職できなかった。
会社側の強い引きとめ工作として、後任者を設定してもらえず、退職日直前まで新たな重要任務等を任され、「投げ出してまで辞めるのか」と、精神的に追い詰められた。
上司への義理や恩に応えるため、退職日を決断せず、ずるずると就職日を先に延ばしたため、内定取り消しとなった。
なんと退職交渉がこじれた結果、内定辞退など、転職自体がだめになったという怖いエピソードが多くあるようです。特にミドルの退職交渉は、上手く進めないとトラブルになるということを、改めて念頭に置きたいところです。
転職コンサルが教える!円満退職のコツ!
Q:ミドルクラスの方の円満退職を左右するポイントについて、重要なものを教えてください。
ミドル人材の円満退職を左右するポイントについて、同じく転職コンサルタントに聞きました。もっとも多い回答は、「退職に関する社内交渉の仕方」59%。前述の通り、企業との退職交渉では、引き止め、後任探しを理由にした退職時期の延長を依願されることが多いため、社内交渉の仕方を事前に考えておく必要があるとのこと。具体的なアドバイスでは、
退職までのプランをしっかりと立てておくこと。退職を申し出る際には、上司が困らないようにお膳立てをしておくことが重要。
退職意思表示前に十分に話し合いの場を持つこと。また、退職をすると決めたからには、その意思をきちんと伝えること。退職日でもめる場合、退職届や辞職届など法的根拠となる資料を会社に提出すること
。
退職の意思を明確に伝えること、迷っていると思われると様々な条件を打診され、結果退職しにくくなり、残留せざるをえない雰囲気になる。また、退職交渉の状況をその都度コンサルタントと共有する。
兎に角、丁寧に淡々と上司に退職届を一か月前に電話、もしくは退職届を提出し、更に引き受けなかった場合は2回目の話し合いを数日後に同じように丁寧に淡々とお話合いを持つことが肝要かと存じます。それでも、受け入れない場合は直ぐに人事へ出向き、その場合も心静かに淡々とことを進め、人事からその上司に話を進めて頂くことがよろしいのではないかと考えております。
退職交渉をする際には、事前にプランをきちんとたてておくことや、退職を告げる上司への配慮、そして何より交渉に負けない強い意志がポイントとのこと。
退職トラブルを避け、円満退職を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
それでは。
[今回のレポートに使用した調査結果の詳細はこちら]
アンケート実施期間 : 2016年2月4日 ~ 2016年2月19日 / 有効回答数 : 153名
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