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2021年09月10日 18時45分 JST | 更新 2021年09月10日 18時55分 JST

勧善懲悪省が復活、どんな組織? 旧タリバン政権では女性にブルカ強制。サッカー、テレビ、音楽も禁止して厳しく摘発

旧タリバン政権では、数千人の若者を「宗教パトロール」として雇い、首都カブールではムチと長い杖、それにカラシニコフ銃を持って歩き回った。「反イスラム的行為」をしていると判断した人々に暴行を加えたり、逮捕・拘禁したという。

via Associated Press
アフガニスタンの首都カブールで、暫定政権の樹立を発表するタリバンのムジャヒド報道官

アフガニスタンで権力を掌握したイスラム主義組織「タリバン」は9月7日に暫定政府の樹立を宣言。勧善懲悪省も20年ぶりに復活させると発表した。英紙ガーディアンなどが報じた。

勧善懲悪省は2001年までの旧タリバン政権時代に、イスラム教の極端な解釈を元に、国民の行動を厳しく監視したことで知られる。特に頭から足首までをすっぽりと大きな布で覆う「ブルカ」の着用を義務づけ、従わない人を摘発するなど、女性の人権を弾圧したことが国際社会から強く批判されている
  

■勧善懲悪省とは?サッカー、テレビ、音楽も禁止して厳しく摘発

AAMIR QURESHI via Getty Images
2021年9月8日、ブルカを着てカブール市内を歩く女性

勧善懲悪省は、サウジアラビアの宗教警察「勧善懲悪委員会」を元にしており、イスラム教の教えに人々が従うように国民の行動を監視・処罰するのが目的の組織だ。米紙ワシントンポストによると、1990年代のラバニ大統領の時代に作られた組織の役割をタリバンが拡大させたという。

NHK職員・高木徹さんの『大仏破壊 バーミアン遺跡はなぜ破壊されたのか』(文藝春秋社)などによると、勧善懲悪省が数千人の若者を「宗教パトロール」として雇い、首都カブールではムチと長い杖、それにカラシニコフ銃を持って歩き回り、「反イスラム的行為」をしていると判断した人々に暴行を加えたり、逮捕・拘禁したりしたという。

元外交官の進藤雄介さんは『タリバンの復活』(花伝社)の中で、旧タリバン政権が国民に求めた戒律と勧善懲悪省の役割について、次のように書いている。

<女性は、後述するブルカと呼ばれる服装を着ることが求められ、男性は伝統的なアフガニスタンの服装を着た上でひげを生やさなくてはならなかった>

 <アルコール飲料が禁止であることは言うまでもないが、踊り、音楽(タリバンによれば、音楽は「愛」について語るものばかりであり、よろしくない)、サッカー、テレビ、映画、肖像画・写真(偶像崇拝とみなされる)なども禁じられた>

<アフガニスタンでは子どもの間で凧揚げが盛んであるが、これも禁止された。こうした戒律を強制するために、勧善懲悪省に強い権限が与えられた>

<勧善懲悪省の職員が、カブールの至る所で監視し、規則を破る者がいれば、その場で棍棒や鞭で叩いたりした>