赤ちゃんを鉄条網越しで託す。アフガニスタンの空港で親たちが必死に助け求める(動画)

「我々の中で、夜までに涙を流さない者は1人もいなかった」と子どもを手渡されたイギリス軍の関係者は語っています。
鉄条網越しに兵士に手渡された赤ちゃん(2021年8月19日)
鉄条網越しに兵士に手渡された赤ちゃん(2021年8月19日)
OMAR HAIDIRI via Getty Images

アフガニスタのカブール国際空港で、アフガニスタンの人たちが壁の内側にいる西側諸国の兵士らに赤ちゃんを手渡し、子どもを助けてくれと求めている。

現地で撮影された動画の1つには、アメリカの兵士が鉄条網の上から身を乗り出して赤ちゃんを受け取り、別の兵士に手渡している様子が捉えられている。

アメリカ海兵隊によると、この赤ちゃんは医療ケアを受けた後に、家族の元に戻った。

アメリカ海兵隊広報のマイ・ジム・シュテンガー氏が「赤ちゃんは医療施設に運ばれて、医療専門家によるケアを受けました」「赤ちゃんは父親の元に戻りました。空港で安全な状態です」と、ハフポストUS版に述べた。

シュテンガー氏は「現地にいる海兵隊たちは、様々なことが起きている状況で迅速な決断をし、避難活動を支えている」とも伝えている。

この他にも、鉄条網がない壁越しに子どもが兵士に手渡されている動画も撮影された。

タリバンに殴打され、「母親たちは必死だった」

さらに、イギリス軍の兵士らも、現地の切迫した状況を語っている。

パラシュート部隊の関係者は、「母親たちは必死でした。彼らはタリバンに殴打されており、『赤ちゃんを救って下さい』と叫んで、我々に赤ちゃんを放ってきました。中には、鉄条網の上に落ちた赤ちゃんもいました。とてもひどい状態だった。我々の中で、夜までに涙を流さない者は1人もいなかった」とインディペンデントの取材で答えた。

また、別のイギリス軍関係者は「兵士たちは子どもを受け入れる以外の選択肢がありませんでした」とスカイニュースにコメントしている。

イギリスのベン・ウォレス国防大臣はスカイニュースに、「子どもだけを受け入れることはない」と述べており、壁越しに手渡された子どもたちは家族とともに避難する予定だと伝えた。

アメリカ海軍が提供した写真には、重装備の兵士たちが、比較的落ち着いているように見える場所で赤ちゃんを抱いている様子などが写っている。

カブール空港で赤ちゃんをあやす兵士たち(2021年8月20日)
カブール空港で赤ちゃんをあやす兵士たち(2021年8月20日)
US CENTRAL COMMAND / SGT. ISAIAH CAMPBELL
US CENTRAL COMMAND / SGT. ISAIAH CAMPBELL
空港の避難管理センターに到着した子ども達の様子をチェックする海軍兵士(2021年8月19日)
空港の避難管理センターに到着した子ども達の様子をチェックする海軍兵士(2021年8月19日)
US CENTRAL COMMAND / STAFF SGT. VICTOR MANCILLA

必死の国外脱出

武装勢力タリバンが8月15日に首都カブールを掌握した後、多くの人たちがアフガニスタンからの脱出を求めてカブール空港に押し寄せ、空港は混乱状態に陥った。 

避難するために、アメリカの軍用輸送機にすし詰めの状態で忍耐強く座っているアフガニスタンの人たちの写真も撮影され、世界中に衝撃を与えた。

COURTESY OF DEFENSE ONE VIA VIA REUTERS

この時の搭乗者は当初640人と伝えられたが、実際は823人だったとクルーが明かしている

現在も、脱出を求める大勢の人たちが空港の外で寝泊まりしながら、空路で国外に出る可能性を待っている状態だ。その中には、アメリカ軍のために長年働き続けてきた人たちもいる。

また、タリバンの指導者達が「出国希望者がカブール空港へ向かうのを妨げない」と約束したにも関わらず、タリバンの兵士たちが空港の外で市民に暴力行為を行っていると報じられている。 

アメリカ国防総省は避難希望者の出国準備を進めており、準備が整えば1日9000人が、空路で出国できる予定だとしている。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。

注目記事